5G対応iPhoneは2021年デビュー?2020年内にはモデム調達が間に合わないとのアナリスト分析
2019年の新型iPhoneは「5G」対応が見送られ、2020年に初の5G対応iPhoneが投入されるとの予測は、半ば定説となっています。
しかし、最新の動向からすると2020年でさえアップルが5G対応iPhoneを投入できず、2021年にまで先送りされる可能性があるーーといった予測を、UBS証券のアナリストが発表しました。同社のアナリストTimothy Arcuriによるレポートの要点は、アップルが5Gモデムの調達先を探すのが困難であるということ。
5Gモデムの大手メーカーといえばまず名前が挙がるクアルコムは、現状ではアップルと世界中で特許およびライセンス料をめぐって訴訟を繰り広げている間柄です。
かつてのiPhone用モデムチップはクアルコムが独占供給していましたが、iPhone 7ではインテル製も採用を開始。そして2018年のiPhone XS/XS MaxおよびiPhone XRでは、インテル製モデムのみ使用されています。
そして、昨今のモデルチップはインテルのみという状況は、アップルの判断というよりは、クアルコム側の拒絶によるもの。アップルにとっては複数の企業から調達することが望ましく、2018年の最新iPhoneでもクアルコムにモデムチップの供給を求めたにもかかわらず、先方から拒否されたとの証言もありました。
こうした事情から、現時点でのアップルは、モデムチップをインテルに依存せざるを得ません。しかし、インテルの5Gモデム開発は目立った成果を上げておらず、同社の幹部らも2020年までに消費者向け5Gモデムの「市販製品」は望めないと述べていました。
Arcuri氏の見たてでは、インテルが下位互換の5Gモデムチップ(5Gの高速および低遅延を実現するミリ波への対応を省いたもの)でさえ、2020年iPhoneに間に合うよう供給できるとは考えていないとのことです。
現状ではこの他に5Gモデムチップ調達先の候補とされているメーカーは、台湾のMediaTekと韓国サムスンの2社。しかし、Arcuri氏の見解ではMediaTekのチップはアップルの求める水準には届かず、かたやサムスンは技術的には高性能のチップを供給できるものの、モデムについてはアップルが同社と提携したがらないだろう、と分析しています。
インテルの5Gモデム開発が加速しないかぎり、アップルは手を縛られたままになり、結局は2020年のiPhoneもLTEに留まり続けることになる――そうした観測から、Arcuri氏はアップルは2021年を「5G対応iPhoneデビューの年」として狙っていると予測しています。
そして気になるのは、もしも2020年に5G対応iPhoneが出ないとすれば、どうなるかという点。ここに関してArcuri氏は、短期的には販売が落ち込む懸念があるものの、iPhoneの大規模なインストールベース(実際に使われている台数)やサービス分野の開拓もあり、長期的見通しは楽観的だとの観測を示しています。
なお、こうした「2020年でも5G対応iPhoneの投入は無理」との見方は、以前に証券会社カウエンが提示していた分析と一致しています。すでにアナリスト周辺でのコンセンサスは「5G対応iPhoneは2021年」という方針にシフトしつつあるのかもしれません。
しかし、最新の動向からすると2020年でさえアップルが5G対応iPhoneを投入できず、2021年にまで先送りされる可能性があるーーといった予測を、UBS証券のアナリストが発表しました。同社のアナリストTimothy Arcuriによるレポートの要点は、アップルが5Gモデムの調達先を探すのが困難であるということ。
かつてのiPhone用モデムチップはクアルコムが独占供給していましたが、iPhone 7ではインテル製も採用を開始。そして2018年のiPhone XS/XS MaxおよびiPhone XRでは、インテル製モデムのみ使用されています。
そして、昨今のモデルチップはインテルのみという状況は、アップルの判断というよりは、クアルコム側の拒絶によるもの。アップルにとっては複数の企業から調達することが望ましく、2018年の最新iPhoneでもクアルコムにモデムチップの供給を求めたにもかかわらず、先方から拒否されたとの証言もありました。
こうした事情から、現時点でのアップルは、モデムチップをインテルに依存せざるを得ません。しかし、インテルの5Gモデム開発は目立った成果を上げておらず、同社の幹部らも2020年までに消費者向け5Gモデムの「市販製品」は望めないと述べていました。
Arcuri氏の見たてでは、インテルが下位互換の5Gモデムチップ(5Gの高速および低遅延を実現するミリ波への対応を省いたもの)でさえ、2020年iPhoneに間に合うよう供給できるとは考えていないとのことです。
現状ではこの他に5Gモデムチップ調達先の候補とされているメーカーは、台湾のMediaTekと韓国サムスンの2社。しかし、Arcuri氏の見解ではMediaTekのチップはアップルの求める水準には届かず、かたやサムスンは技術的には高性能のチップを供給できるものの、モデムについてはアップルが同社と提携したがらないだろう、と分析しています。
インテルの5Gモデム開発が加速しないかぎり、アップルは手を縛られたままになり、結局は2020年のiPhoneもLTEに留まり続けることになる――そうした観測から、Arcuri氏はアップルは2021年を「5G対応iPhoneデビューの年」として狙っていると予測しています。
そして気になるのは、もしも2020年に5G対応iPhoneが出ないとすれば、どうなるかという点。ここに関してArcuri氏は、短期的には販売が落ち込む懸念があるものの、iPhoneの大規模なインストールベース(実際に使われている台数)やサービス分野の開拓もあり、長期的見通しは楽観的だとの観測を示しています。
なお、こうした「2020年でも5G対応iPhoneの投入は無理」との見方は、以前に証券会社カウエンが提示していた分析と一致しています。すでにアナリスト周辺でのコンセンサスは「5G対応iPhoneは2021年」という方針にシフトしつつあるのかもしれません。