東京私大教連は4月3日、「私立大学新入生の家計負担調査2018年度」を発表した。調査は2018年5〜7月に実施し、2018年度に私立大学に入学した新入生の家庭4181人から回答を得た。対象となる大学は関東1都5県にある14の私立大学(短期大学含む)。

世帯の「税込年収」は、全体平均が939万6000円で前年度から3%増。住居別で見ると、自宅外通学者の世帯で929万8000円(29万1000円増)、自宅通学者の世帯で946万1000円(26万2000円増)となった。

仕送りから家賃を引いた生活費は2万300円

入学直後の新生活や教材の準備で費用がかさむ5月の仕送り額は、平均9万9700円で1800円減少した。出費が落ちつく6月以降の月平均が8万3100円(3000円減)。6月以降の仕送り額は、1994年(12万4900円)をピークに減少傾向にあり、過去最も低い水準となった。

「家賃」は平均6万2800円で、前年度比1200円増加した。6月以降の仕送り額は月平均8万3100円となっているが、家賃の割合は仕送り額の75.6%にあたる。家賃平均は1986年には3万4700円から2万8100円上がった。

また、6月以降の仕送り額から「家賃」をのぞいた生活費は2万300円で、1日あたりの生活費は677円。前年度の817円から減少し、過去最低。ピークは1990年の2460円(仕送り額7万3800円)で、約30年で3分の1以下になった。

平均借入額は、自宅外通学者で238万2000円、自宅通学者で165万9000円

自宅外通学者の受験から入学までの費用は218万1818円。入学の年にかかる費用は296万2918円(2万200円減)で、平均世帯年収の約3割を占める。また自宅外通学者の20%が入学費用を借り入れしている。自宅通学者の15%を5ポイント上回る数値となる。

平均借入額は、自宅外通学者で238万2000円、自宅通学者で165万9000円だった。自宅外通学者は前年度から4.3万円増加し、過去最高額。この金額は入学までの費用を20万円上回る。

受験から入学までの費用の負担感は、「たいへん重い」「重い」の合計が9割。近年、グローバル人材が求められることから在学中の海外留学を希望する学生が増えており、父母からは不安の声が寄せられた。