4月7日、阪神競馬場で3歳牝馬クラシックレースの第1弾・GI桜花賞(芝1600m)が行なわれる。

 今回、人気を集めるのは昨年の2歳女王ダノンファンタジー(牝3歳/栗東・中内田充正厩舎)だろう。GIIIファンタジーS(京都・芝1400m)、GI阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神・芝1600m)に続き、年明け初戦のGIIチューリップ賞(阪神・芝1600m)も勝って4連勝中と、極めて順調な臨戦過程でここに臨む。

 しかし、忘れてはいけない存在が1頭。新馬戦でダノンファンタジーに唯一の黒星を付けているグランアレグリア(牝3歳/美浦・藤沢和雄厩舎)だ。


フューチュリティS3着からの巻き返しを狙うグランアレグリア

 グランアレグリアのデビューから2戦におけるパフォーマンスはすばらしかった。

 まずは昨年6月3日の新馬戦(東京・芝1600m)。外目の14番枠からスタートしたグランアレグリアは、楽な手応えで好位2、3番手を追走。直線では馬なりのまま先頭に立つと、軽く気合をつけただけでダノンファンタジー以下を2馬身突き放す完勝だった。勝ちタイム1分33秒6は、JRAの芝1600mの2歳新馬戦において、すべてのコースを含めた史上最速のタイムだった。

 同年10月のGIIIサウジアラビアロイヤルC(東京・芝1600m)の走りも驚愕だった。約4カ月ぶりの出走で体重は18kg増。最後方からの競馬となったが、レース途中からポジションを上げ、4コーナーでは2番手に進出した。競馬では直線まで脚をため、そこから追い出すのがセオリー。並の馬なら途中で脚を使うと伸びを欠くものだが、本馬は直線に入って後続を突き放し、2着に3馬身1/2差をつけて快勝している。

 続く12月のGI朝日杯フューチュリティS(阪神・芝1600m)は3着だったが、強い牡馬相手のレースで、プレッシャーをかけられた影響があったのだろう。今回はそれ以来4カ月ぶりの実戦。年明け初戦で桜花賞を勝利した馬は過去にいないが、昨年のアーモンドアイは1月8日からの約3カ月ぶりの出走で勝利しているだけに、グランアレグリアも敗戦からの巻き返しが期待できる。

 前走から今レースまでの間、グランアレグリアはアーモンドアイと同じノーザンファーム天栄(福島県)で調整されている。レース間隔を空ける調整方法に実績がある育成スタッフなので、信頼していいだろう。グランアレグリア自身、新馬戦から約4カ月後のサウジアラビアロイヤルCで結果を残しており、今回のような臨戦過程は問題ない。

 血統面も好走を予感させるに十分だ。母タピッツフライは米国で走り、4歳時に本格化。5歳時のGIジャストアゲイムSでは芝8F(約1600m)を1分32秒34という好タイムで走破している。グランアレグリアは2歳戦から強い競馬を見せているが、さらなる成長力も期待できる。

 昨年の勝ち馬アーモンドアイは、桜花賞から先日のGIドバイターフまでGI5連勝を飾る”現役最強馬”に成長し、秋には世界最高峰のGI凱旋門賞を狙おうという馬になった。グランアレグリアも同馬に続く可能性を感じさせる馬であり、桜花賞の走りでそれを証明してほしい。

 その他にも魅力的な馬が揃う今回のレース。もう1頭、アクアミラビリス(牝3歳/栗東・吉村圭司厩舎)を挙げておきたい。同馬は前走のOPエルフィンS(京都・芝1600m)で、4コーナー10頭立て最後方から上がり3F33秒3という瞬発力を見せ、鮮やかな追い込みで勝利している。

 姉に2016年のエリザベス女王杯(京都・芝2200m)を制したクイーンズリング(父マンハッタンカフェ)がいる良血で、父ヴィクトワールピサは2016年の桜花賞勝ち馬であるジュエラーの父でもある。ジュエラーは4コーナー17番手からの追い込みだったので、アクアミラビリスは同じようなタイプだ。

 今回はジュエラーと同じミルコ・デムーロ騎手が騎乗するだけに期待も高まる。前目で競馬を進めるグランアレグリアを意識してダノンファンタジーが早めに動き、アクアミラビリスに展開が向くケースもあるだろう。今年の桜花賞はこの3頭の動きから目が離せない。