「『WIRED』日本版、ついに「ヴ」を廃止──新たに「ヷ」「ヸ」「ヹ」「ヺ」を採用へ」の写真・リンク付きの記事はこちら

外務省の国名表記から「ヴ」を消す法案が3月に成立したことを受け、長らく「ヴ」のカナ表記を使用してきた『WIRED』日本版の対応が注目されていた。このたび同編集部は、今後は「ヴ」の表記に代えて、かつて翻字として使われていた「ヷ」「ヸ」「ヹ」「ヺ」のカナ表記を積極的に使用することで、この流れに一石を投じることを発表した。

今回の外務省の決定は、外国名の表記として「ウ」に濁点を付ける「ヴ」を使用しないという改正在外公館名称位置給与法によるもの。今月から外務省の文書から「ヴ」が消えることになるが、その影響はシリコンヷレーにも波紋を広げている。

シリコンヷレーにも波紋

先に米議会の公聴会で証言をしたフェイスブック最高経営責任者(CEO)のマーク・ザッカーバーグは、「ぼくたちは人々をつなげることで世界をコネクトし、人類の平和を生み出すというヸジョンを掲げてきた。ソーシャルネットワークは決して文化やその固有性を平準化、単純化しようという意図があるわけではない」と弁明に追われた。

フェイスブックは22億のユーザーを抱えるいわばスーパー“国家”だが、現実の国家がFacebook上で公式行事のイヹントページを作成する際、国名の日本語表記で「ヴ」を使うかどうかはユーザー国家自身のプライヷシー設定に任せたいとしている。

同じく議会の公聴会で発言したグーグルCEOのスンダー・ピチャイは、「たとえ日本政府がヴの使用をやめようとも、われわれはヴで検索結果に引っかかるよう、アルゴリズムをこれからもしっかりサポートしていく」と力強く確約した。

「令和」の時代に、明治・大正の表記を

世界規模のイノヹイションであるインターネットによって世界がつながり地球が小さくなる一方で、『WIRED』日本版はその意味と文脈を日本語でいかに正確に伝えるかという観点から「ヴ」を使い続けてきた。今後もその姿勢を貫くために、元号が平成から「令和」に変わるこのタイミングで、かつて明治・大正時代に使用されていた「ヷ(va)」「ヸ(vi)」「ヹ(ve)」「ヺ(vo)」という固有の表記に戻すことを決定した(なお、これにより頻度は少なくなるものの、「ヴ(vu)」も引き続き使用されるという)。

『WIRED』日本版編集長の松島倫明は、「そもそもvの発音としてヴのほうが正確だというのなら、例えばなぜ“マイケル”は“マイクル”にならないのか、という指摘が昔からあることは知っている。ただ、発音表記というのは0か1かのデジタル思考で成り立つものじゃない。その中間領域にある多様なアナログの揺らぎこそが、新たなクリエイティヴを生むとぼくらは考えている。『WIRED』はこれからも、イノヹイティヴなヸジョンを掲げていく」と語っている。

注意:この記事は4月1日に掲載されたものです。

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