GI昇格3年目となる大阪杯(阪神・芝2000m)が3月31日に行なわれる。

 過去2年の結果を振り返ってみると、2017年のキタサンブラック、2018年のスワーヴリチャードと、いずれも1番人気が勝利を飾っているが、2着には7番人気のステファノス(2017年)、6番人気のペルシアンナイト(2018年)が入線。決して”堅いレース”とは言えない。

 はたして、今年はどうか。

 GI馬が8頭も参戦し、勢いのある上がり馬もズラリと集結。ひと筋縄では収まりそうにない雰囲気が充満している。日刊スポーツの太田尚樹記者もその点には同意して、波乱決着もあると匂わせる。

「アーモンドアイをはじめ、『ドバイ遠征組』がいなくても、かなりの豪華メンバーが顔をそろえました。レース自体の面白味はもちろんですが、混戦模様でオッズも割れそうですから、馬券的な妙味も十分にあります。

 しかも、人気を集めそうなブラストワンピース(牡4歳)、ワグネリアン(牡4歳)、キセキ(牡5歳)は休み明け。付け入る隙はありますから、組み合わせ次第では高配当も狙えるのではないでしょうか」

 レースも、馬券も楽しめそうな一戦。そのうえで、デイリー馬三郎の吉田順一記者は、現在の馬場の傾向から「時計勝負になる」と予想する。

「先週の阪神では、1000万下クラスのレースにおいても、芝1600mの走破時計が1分33秒3。勝ち馬の上がりタイムも33秒4と速く、その他のレースでも水準以上の時計が記録されました。

 加えて、今週から仮柵を設けたBコースとなって、馬場の凸凹部分が大方隠れるはず。週末に天候の崩れが予想されていますが、降雨量がそれほど多くなければ、路盤硬化が進んで一段と時計は速くなりそうです。上がりは適度にかかっても、全体時計は速くなると判断してもいいでしょう。

 そうなると、芝2000mで1分56秒台の持ち時計があるキセキ、1分57秒台の記録を持つアルアイン(牡5歳)、サングレーザー(牡5歳)、ダンビュライト(牡5歳)、ブラストワンピース、ペルシアンナイト(牡5歳)、マカヒキ(牡6歳)らが有力。キャリアの浅い4歳馬が一気に時計を詰めてくる可能性はありますが、いずれにしても、これら時計勝負にも対応できるメンバーの争いになると見ています」

 そして、吉田記者は名前を挙げたメンバーの中から、3年前のダービー馬マカヒキに注目する。

「マカヒキは3歳秋のGIIニエル賞(フランス・芝2400m)以降、勝ち星がありませんが、前走のGII京都記念(2月10日/京都・芝2200m)で復調の兆しがうかがえました。

 馬体重は10kg増の514kgでしたが、重め感はなく、パドックでは抜群の推進気勢を発揮していました。レースでも、この馬にすれば行き脚がよく、無理せずに中団の外目から運んでいく、これまでにない競馬っぷりを披露。荒れた馬場の京都で、多少キレをそがれた印象はありましたが、最後は強烈な決め脚を繰り出して、勝ち馬からコンマ1秒差の3着なら評価していいでしょう」


ダービー馬マカヒキの完全復活はあるか

 ここ最近のダービー馬は早熟タイプが多いのか、古馬になってからもGIを勝っている馬は少ない。マカヒキもその例に漏れないが、吉田記者は確かな復活の手応えを得ているようだ。

「一度勝たないと自信は戻らないと思っていましたが、前走でマカヒキが見せた”やる気”は完全復活への”序章”かもしれません。そう思う理由としては、調教パターンを変えてきたことが挙げられます。

 昨年末のGI有馬記念(10着。12月23日/中山・芝2500m)のときから変化は見られたのですが、今回もこれまでと違って、レース6日後には坂路で乗り込んで、その後も多種多様の調整を繰り返しています。しかも、すべて併せ馬で闘争本能にスイッチを入れる作業が施されてきました。その効果は絶大で、3月20日の1週前追い切りでは、最近にはなかった気迫が感じられました」

 さらに、吉田記者はもう1頭、昨年のGI天皇賞・秋(東京・芝2000m)で2着と好走したサングレーザーの激走にも期待する。

「1分57秒0という天皇賞・秋の走破時計もさることながら、それ以上に強調すべきは芝1600mで1分31秒3という破格の時計を持っていること。時計の速い設定や淀みのない流れになれば、強いマイラーが芝2000m戦で台頭することは、過去の大一番でもよく見られてきました。

 今回は、昨年末のGI香港カップ(4着。12月9日/香港・芝2000m)以来の実戦となりますが、本来の調教スタイルを崩していない点は心強い限り。一発あってもおかしくありません」

 一方、太田記者は昨年の2着馬ペルシアンナイトを推す。

「前哨戦のGII金鯱賞(3月10日/中京・芝2000m)では、勝ち馬から3馬身以上離されての4着。一見すると完敗に見えますが、まったく悲観する必要はありません。

 というのも、3カ月以上の休み明けでは、これまでも振るいませんでした。今回も含めて過去4戦あって、5着、5着、5着、4着。しかし、叩き2戦目となると、過去3戦とも1着、2着、2着と好走しています。それも、この成績がいずれもGIというのは特筆ものです。

 昨年も始動戦のGII中山記念(中山・芝1800m)では5着に敗れながら、本番で巻き返しました。典型的な叩き良化型で、コース適性の高さも昨年で実証済みです。

 マイルのGIを勝っていますが、鞍上のミルコ・デムーロ騎手は『大人になったし、競馬も上手。今なら(距離は)2000mがいい』と話しています。前走の敗戦で人気を落とすようなら”オイシイ”と思いますよ」

 太田記者ももう1頭、推奨馬を挙げる。前走の金鯱賞で人気を裏切ったエアウィンザー(牡5歳)だ。

「金鯱賞の敗戦(3着)で評価を落としているようですが、これまでに良馬場以外の馬場や雨の中でのレース経験が乏しく、本来の走りができなかったのは、そうした天候や馬場の影響があったと思います。

 若い頃は勝ち切れないレースが多かったですが、厩舎スタッフによると『レースで気を抜かなくなったことが、(最近の)成績に直結している』とのこと。精神面の成長が昨年からのブレイクにつながりました。阪神は6戦4勝、2着2回と、大の得意コース。良馬場なら、見直せます」 春のGIシリーズ開幕戦となった先週の高松宮記念は、3連単の配当が400万円超えの大波乱となった。そんな”大荒れ前線”の影響は今週も続くのか。その一端を担う”穴馬”が、ここに挙げた4頭の中にいても不思議ではない。