2017年からGIに昇格した大阪杯(阪神・芝2000m)が3月31日に行なわれる。

 今年も多士済々の顔ぶれがそろったが、人気が予想されるブラストワンピース(牡4歳)やキセキ(牡5歳)、ワグネリアン(牡4歳)らは、いずれも休養明け。今やGI戦への直行も珍しくないとはいえ、今回のようにハイレベルかつ実力が拮抗したメンバー構成にあっては、少なからず不安は募る。

 とすれば、ここは穴馬が台頭する可能性も大いに考えられる。

 実際、大阪杯の歴史を振り返っても、2017年に7番人気のステファノス、2018年には6番人気のペルシアンナイトが2着と好走。GI昇格後の2年だけ見ても、伏兵が上位に突っ込んできている。

 また、GII時代を遡(さかのぼ)っても、2010年のテイエムアンコール、2012年のショウナンマイティと、ともに6番人気で戴冠を果たすなど、何度となく波乱が起こっている。

 ならば、今や真っ盛りの花見を豪勢に楽しむためにも、ここは高配当狙いに徹してはどうか。そこで、過去の傾向をヒントにして、今年のレースで激走しそうな馬をあぶり出してみたい。

 まず、狙ってみたいのが、人気落ちのGI馬だ。

 先述したペルシアンナイトも、前年秋にGIマイルCS(京都・芝1600m)を制覇していた。しかしその後、春の復帰戦となったGII中山記念(中山・芝1800m)で1番人気に推されながら5着に敗戦。この結果を受けて、人気が急落した。

 こうした例はGI昇格以前にも多く見られ、2016年に5番人気で2着となったキタサンブラック、2015年に4番人気で優勝したラキシス、2013年に5番人気で3着となったエイシンフラッシュなどがいる。

 キタサンブラックは前年のGI菊花賞(京都・芝3000m)を制して、続くGI有馬記念(中山・芝2500m)も3着と善戦していながら、当時はまだ絶対的な評価を得ていなかった。その結果、休み明けという点も嫌われてか、5番人気に甘んじた。

 ラキシスも前年のGIエリザベス女王杯(京都・芝2200m)の覇者だったが、その後の有馬記念で6着。牡馬一線級相手では物足りないと見られてか、伏兵の一角という評価にとどまった。

 そもそもダービー馬で、その前年のGI天皇賞・秋(東京・芝2000m)にも戴冠を遂げたエイシンフラッシュも、その後のGIジャパンC(東京・芝2400m)、有馬記念で、9着、4着と振るわず、人気を落としていた。

 こうしたタイプは今年も何頭か候補がいるが、やはりGI昇格後の傾向に合わせて、昨年のペルシアンナイトに近い馬をピックアップしたい。


大阪杯での勝ち負けが期待されるステルヴィオ

 ピタリとハマるのは、ステルヴィオ(牡4歳)だ。

 同馬は、昨年のマイルCSで初のGI勝利を飾った。その後、休養に入って、2番人気に推された前走の中山記念では3着に敗れている。

 中山記念はたたき台と思えば、評価を落とす必要はないが、今回はさらに相手が強化されることから、上位人気を争うまでには至らなそう。これは、まさしく昨年のペルシアンナイトと似た状況にあって、それだけ好走への期待が膨らむ。ステルヴィオの一発に夢を託してみるのは悪くない。

 GI昇格後の傾向を重視して、一昨年2着のステファノスに近い馬も探してみたい。

 ステファノスと言えば、典型的なGIの善戦マン。2017年の大阪杯までに、国内外のGIで2着が2回、3着が2回あった。上位に来る力はありながら、なかなか勝ち切れないことから、豪華メンバーがそろうと人気が下がってしまうタイプと言えよう。

 そんなステファノスに近いGI善戦マンが今年もいるか探してみると、1頭の馬に目が止まった。

 サングレーザー(牡5歳)である。

 2017年に下級条件から4連勝してオープン入り。その後は、マイルCSで3着、天皇杯・秋でも2着と、GIの大舞台でも好走を繰り返している。これまで国内外のGIを4戦して、一度も掲示板(5着以内)は外していない。

 にもかかわらず、勝利を飾るまでには至らず、最近ではワンパンチ足りないイメージが付きつつある。そうなると、ステファノアス同様、充実したメンバーがそろうここでは人気を落としそうだ。が、逆にそこが狙い目だ。

 天皇賞・秋の結果から、距離面での不安はない。香港遠征からの休み明けというローテーションが嫌われて、さらに人気を落とすようなら、ますます食指が動く。高配当を運んでくる”使者”となってくれるかもしれない。

 最後に、GI昇格以前を含めて過去10年の結果を改めて見返してみると、直前に重賞やオープンレースで善戦しながら、GI級のメンバーが集うここでは人気薄に甘んじた馬の好走がしばしば見られる。

 2012年に6番人気で勝利したショウナンマイティがいい例。同馬は、前々走のGIII鳴尾記念(阪神・芝1800m)、前走のオープン特別・大阪城S(阪神・芝1800m)と続けて2着に入っていたが、より勢いのある馬やGI実績のある馬に人気を譲っていた。

 2015年に6番人気で3着となったエアソミュールも、3走前にGII毎日王冠(東京・芝1800m)を勝つと、その後も2走続けてGII戦で3着と健闘。安定した走りを見せていながら、GI馬が数多く参戦するなか、完全に伏兵視されてしまった。

 これらと同様のタイプ、要するに、直前の重賞やオープン特別で好走を繰り返しているものの、GI実績などから、ここでは人気を落としそうな馬は侮れないということ。今年はこうしたタイプも多く、エアウィンザー(牡5歳)、スティッフェリオ(牡5歳)、ステイフーリッシュ(牡4歳)あたりがそれに当てはまる。

 ただ、スティッフェリオは重賞連勝とはいえ、ローカルでのGIII。過去には見当たらないケースゆえ、ここでは外したい。

 残るはエアウィンザーとステイフーリッシュだが、高配当狙いに徹するなら、ステイフーリッシュか。

 同馬は、昨年末のGIIIチャレンジC(12月1日/阪神・芝2000m)で3着となったあと、年明けのGIII中山金杯(1月5日/中山・芝2000m)、続くGII京都記念(2月10日/京都・芝2200m)と立て続けに2着。着実にステップアップを重ねて、ここでも好走が見込めるが、今回のメンバーの中ではさすがに”格落ち”の存在で、人気急落は必至だ。

 だが、過去の例からして、穴党にとっては、無視できない1頭。馬券圏内に絡む大駆けを期待したい。 古馬中距離路線の「春の王者決定戦」。実力拮抗のレースゆえ、オイシイ配当を手にするには、人気の盲点となる馬を見つけ出せるかどうか。ここに挙げた3頭は、間違いなくその候補と言える。