26日にノエビアスタジアム神戸で行なわれたボリビア戦のマンオブザマッチは誰か。61分から途中出場してチームの攻撃を活性化させ、76分に決勝点を奪った中島翔哉(アル・ドゥハイル)は、現代表の攻撃の主軸であることをあらためて顕示した。


ボリビア戦でゴールを決めた中島翔哉は東京ヴェルディの下部組織出身

 90分を通した貢献度では、この日代表デビューを果たした橋本拳人(FC東京)が一番だろう。

 試合後、25歳のセントラルMFは充実した表情で、手応えを掴めた、と顔に書いてあった。

「自分の一番の持ち味は、球際(の強さ)や予測力だと思うので、まずはそこをしっかり出そうと思って。攻守にわたって常にボールに関わってプレーすることを心がけました」

 序盤から相手の攻撃の芽を積む背番号15の姿が際立った。ボリビアに対して、日本がペースを握っていたのは事実だが、決定機が少なくゴールの遠い展開では、ともすれば、主導権はすぐに移りかねない。そこを押しとどめたのが、橋本の危機察知能力とボールを奪い切る力だった。

 そのパフォーマンスから緊張とは無縁に見えたが、「昨日はほとんど眠れなかったくらいで(笑)。興奮していましたね」と笑顔で振り返る。彼が念願のA代表に初選出されたのは、今回の代表合宿が始まった翌日のこと。守田英正(川崎フロンターレ)がコンディション不良で離脱し、代役として選ばれたのだった。その1週間ほどの期間は「非常に長く、刺激的な日々だった」と橋本は語る。

 対照的に、もうひとりの初出場組である畠中槙之輔(横浜F・マリノス)はこの日々を「すごくあっという間に感じた」と言う。

「一日がすごく早く過ぎていったので、無駄にできないと思いました」

 このCBは試合後のミックスゾーンでの表情と同様に、代表デビューを飾った試合でも、序盤にやや硬さが見られた。

「最初は緊張しましたけど、やってみたら自分のプレーもある程度できたので、すごく楽しかったです」

 昨年8月に東京ヴェルディから横浜FMに加入した畠中は、主にバックアッパーだった4カ月を経て、今季はアンジェ・ポステコグルー監督の信頼を掴み、ここまでのリーグ戦4試合にフル出場。横浜FMと手法は違えども、つなぐスタイルを掲げる森保一監督は、そんな23歳を初招集した。

「正直、練習に入ったばかりの頃は戸惑いもありました。パスを受ける位置や味方の立ち位置などが(クラブとは)違ったので」

 それでも、昌子源や香川真司、中島ら、仲間のアドバイスや励ましもあって徐々に慣れていった。迎えたデビュー戦でも同じように、周囲とコミュニケーションを取りながら、持ち味の縦パスを通すシーンも増えていった。

 またこの日の畠中には、特別な拠りどころもあったという。彼を含め、安西幸輝(鹿島アントラーズ)、小林祐希(ヘーレンフェーン)、中島の4人が東京ヴェルディの下部組織出身で(ロシアW杯に出場したメンバーにはひとりもいなかった)、「すごくやりやすかった」と振り返る。

「みんなそれぞれに成長しているので、プレーはもちろん変わっていますけど、特徴はわかっていました」と畠中が言えば、最終ラインの左隣に入った安西も「通じ合うところはあった。シン(畠中)とは小5の頃から一緒にやっていたので、距離感はよかったし、ポゼッションもうまくできた。小さな頃からやってきた仲間と日の丸を背負ってプレーするのは、感慨深いです」と言う。23歳のレフトバックもまた、先週のコロンビア戦の途中出場に続き、今回が初先発だった。

 畠中の所属する横浜FMからは、森保体制になってから天野純も代表デビューを飾っている。また、今季から浦和に移籍した山中亮輔も横浜FM所属時に代表初出場を果たしたが、ともに定着したとは言えない。

「自分もここに継続的に呼ばれたいと思う。守備の強度を高め、パスの選択肢を増やせるように、リーグ戦で自分のプレーを磨いていきたい」と畠中は決意を見せた。

 安西もまた「危機感、焦りもある。長友(佑都/ガラタサライ)さんを超えていかないと。世代交代は前線だけではダメだと思うので、超えられるように頑張ります」と語った。それは中盤で守備的に振る舞った橋本を含め、後方のニューカマーたちに共通する思いだろう。