鋭い縦パスで魅せた日本代表DF畠中槙之輔(横浜FM)

写真拡大

[3.26 キリンチャレンジ杯 日本1-0ボリビア ノエスタ]

 堂々たるA代表デビュー戦だった。キリンチャレンジカップ・ボリビア戦に先発した日本代表DF畠中槙之輔(横浜FM)は「いま自分ができるプレーはある程度できた」とホッとした様子で振り返った。

 プロ5年目の昨季途中に横浜FMへ移籍し、J1リーグに初挑戦。今季ようやくレギュラーを掴んだばかりの23歳がJ1通算9試合でA代表のステージに上り詰めた。任されたポジションは左CB。「横浜でも変わらないプレースタイルでやっていたので特に変な感じもない」という自信を積み上げてきた持ち場だ。

 そこで目立ったのは、やはり自身の持ち味としてきたミドルパスだった。後半13分、地を這うような縦パスをMF乾貴士に通すと、そこからFW鎌田大地の決定機を導いた。「乾くんもあそこで受けたいと言っていたし、もし締められても(左SBの安西)幸輝の外が空くので。それはマリノスでもやっている形」とビジョンどおりの一本だった。

 この場面には、普段は敵対する守護神も舌を巻いた。「良いところを見ていた。しっかり相手のプレスの掛け方を見ていて、乾くんに出すか幸輝に出すかを見極めていた。日頃マリノスでやっているスタイルだと思う」(GKシュミット・ダニエル)。所属先の仙台はJ1第2節で畠中の縦パスに苦しめられていただけに説得力があった。

 また、「リスク管理を意識していた」という守備でも危ない場面はほとんどなく、「ピンチのシーンは少なかったし、チームとしてうまく守れたと思う」と手応え。「やってみたら結構、自分のプレーも出せたので楽しかった」と素直な感慨も口にしていた。

 とはいえ、全てが満足だったかというとそうではない。「味方が前にいたので相手ゴールキックを跳ね返す時に躊躇した場面があった。海外では味方ごとぶつかるシーンもよくあるので気持ち次第」と具体的な改善点を挙げると、「自己評価で言えば、まだまだ周りを動かしてやれれば」と早くもディフェンスリーダーを担う気概も見せる。

 この日のプレーを見る限り、そうした再チャレンジの機会はそう遠くない未来に訪れるはずだ。「チームでの練習や試合よりも、代表で海外でやっている選手と一緒にやったほうが自分も成長できると思っていた。またここに来たい」。ステップアップの野望を新たにした23歳が大きな第一歩を踏み出した。

(取材・文 竹内達也)