中国メディアは、「日本での生活は本当に幸せなのか?」と題する記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 多くの外国人留学生が、日本で就職して定住するようになっている。その多くが中国人で、一般に中国では日本に住む中国人を勝ち組と見なしているようだが、本当にそうなのだろうか。中国メディアの今日頭条は20日、「日本での生活は本当に幸せなのか?」と題する記事を掲載した。

 記事は、多くの中国人が日本での生活は幸せに違いないと思っており、その理由は「環境が良く、治安も良く、給料も高い」からだと紹介。一方で、在日中国人は祖国にいる中国人のことを、「仕事が楽で、生活のリズムが遅く、親が近くにいて子どもの面倒をみてくれる」とうらやましく感じているという。

 これはまさに、隣の家の芝は青く見えるというもので、実際には日本での生活にも大変なことはあるものだ。記事は、日本の給料は高いが物価も高く、治安や環境も確かに良いが、ルールも多くて抑圧されると指摘。中国の生活も思うほど楽ではなく、親が子どもの世話を手伝ってくれるとはいえ、子育てのストレスは非常に大きいと指摘した。

 日本に住んでいるという中国人筆者は、一例として子どもの同級生の家庭では、子どもが2人かそれ以上いるところが多く、経済的に大変そうだと紹介。日本では、中国のように祖父母が孫の面倒をみて当然という文化ではないので、母親が子どもの面倒をみて専業主婦になるかパートに出て、一家の収入は主に父親に頼っており、家のローンがあると大きなストレスになると指摘している。

 中国人筆者の周りにも、子どもが2人いて薄給ながらローンを組んだ「かわいそう」な同僚がいたそうだ。小遣いは月に5000円しかなく毎日昼にはおにぎり2つだけで、気の毒がっていたものの、ある時この同僚が「今がとても幸せ」だと言ったためはっとさせられたと伝えている。

 先日にも世界幸福度ランキングが発表され、日本は昨年より後退して54位になったが、中国はさらに下の93位だった。しかしこの結果には多くの異論もある。結局のところ幸福を測るのは難しく、どこに住むかよりも、人それぞれの考え方や感じ方によって幸福感は異なるのではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)