◆被収容者と支援者の、目には見えない深い絆

 その後、筆者が面会に入ると、ある被収容者はこう話した。

「いつも外から私たちのために頑張ってくれているから、自分たちも話し合って何かしようと決めました。日本語を書ける人たちで、みんなの気持ちを書きました」

 フリータイムの部屋に、手首がなんとか出せる程度の隙間があって、そこから投げたそうだ。「入管の前で抗議行動をしても無意味」ともいう人もいる。言いたいことは良くわかる。しかし、このように被収容者と支援者の間で、目には見えない絆が深まることもある。

 和田雅樹入国管理局長(当時)は昨年2月28日付、「送還の見込みが立たない者であっても収容に耐えがたい傷病者でない限り、原則、送還が可能となるまで収容を継続」と、全国の収容施設長らに文書を送った。このことにより収容が長引くようになり、仮放免が出ることはほとんどなくなってしまった。その背景には東京オリンピックの開催があると言われている。

 彼らの悲痛の訴えを乗せた紙飛行機を、すべて拾うことができなかったのが心残りでならない。せめてこの3通の手紙を、できるだけ多くの日本人に見ていただけたら幸いである。

<文/織田朝日>