2得点を奪ったU-22日本代表FW前田大然

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[3.22 AFC U-23選手権予選(東京五輪一次予選)第1節 日本8-0マカオ]

 ゴールを奪うことがFWにとって最重要任務となるだろう。しかし、U-22日本代表FW前田大然(松本)の持ち味は攻撃面だけではない。マカオ戦でも自慢の快足を飛ばして守備面でも貢献した。

 前半はマカオに中央を固められ、「クロスだけになっていた」と攻撃が単調になるだけでなく、「中のタイミングと外から上げるタイミングが合っていなかった」ため、チャンスらしいチャンスを創出できなかった。しかし、後半開始からFW上田綺世(法政大)を投入してシステムを3-5-2に変更すると、徐々にフィニッシュに持ち込む場面を増やしていく。

「前線に僕だけでなく、綺世というターゲットが一つ増えたので、どちらかが背後を取ったら、どちらかが落ちようという話はしていたので、それがうまくいったと思う」

 後半6分にDF町田浩樹の得点で先制すると、同9分には一瞬の加速で相手を置き去りにして右サイドを疾走した前田のアシストから上田がゴール。その後、得点を重ねると、同24分に前田が自身の縦パスを相手にブロックされながらもこぼれ球を奪い返し、PA内に持ち込んで左足シュートを叩き込む。さらに同27分には右サイドからMF三好康児が送ったグラウンダーのクロスを押し込み、自身2点目を記録した。

 フル出場を果たしての2得点となったが、“相棒”を務めた上田は45分間の出場でハットトリックを達成していた。これまでも上田は途中出場で多くのゴールを奪っており、「アジア大会でもあったけど、僕が80分近く走って、残り10分くらいで(途中出場した上田が)決める(笑)」と苦笑しつつも、「それがあいつのいいところ」と上田の決定力の高さは認めている。だが、「僕は綺世とは違う強みがある」と語ったように、「山雅で鍛えられている」という前田には違う強みがあった。

 ターゲットマンとして中央に構えることの多い上田と違い、前後左右に動き回るスピード自慢の前田が守備で貢献する場面は多い。マカオ戦でも、スピードを生かしたチェイシングは相手に脅威を与え続け、ゴールに直結させるボール奪取も見せた。「それをすることでチームが助かることは山雅で分かっている。それでチームが点を取れたらいい」。他人と比較するのではない。自らの武器に磨きをかけながら、東京五輪への道を一歩ずつ歩んでいく。

(取材・文 折戸岳彦)