日本ハム・吉田輝星【写真:荒川祐史】

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2回49球3四球も最速146キロをマーク 15年首位打者「真っ直ぐが吹き上がってくる」

 日本ハムのドラフト1位の吉田輝星投手が19日、ヤクルトとのイースタン本拠地開幕戦(鎌ケ谷)で2軍公式戦デビューした。栗山英樹監督が電撃視察する中、5回から2番手として救援。2回で49球を投げ、1奪三振3四球、2安打1失点だった。直球の最速は146キロだった。

 2回49球、3四球と制球に苦しんだ。吉田輝は試合後に「課題がたくさん見つかったので、焦ると良くないので1個ずつそれを潰していきたい」と表情を曇らせたが、敵軍はどう見たのか。

 まずは川端慎吾だ。吉田輝とは6回無死満塁で対戦。初球の141キロ直球はボール、2球目の143キロ直球を中犠飛とした。15年に打率.336、195安打を記録して首位打者、最多安打のタイトルを獲得。強打の2番打者としてリーグVに貢献した巧打者が挙げたのは、セーブ王3度、通算167セーブを挙げた日本ハム歴代最強守護神だった。

「パッと思ったのが武田久さんのような真っ直ぐ。(175センチで)身長は大きくありませんが、シュッとくる真っ直ぐのイメージでしたね。高めが吹き上がってくるような感じで、高めの球に気を付けないといけないなと思って打席に入りました。もう少しスピードも上がると思いますし、140キロ後半から150キロにいったら、もっと打ちづらいんだろうなと思いました」

プロ14年目捕手「抑えの武田久さんや岩隈久志さんのような真っ直ぐ」

 浮き上がる真っ直ぐー。プロ14年目捕手の井野卓も同じような印象を抱いたようだ。6回先頭でフルカウントから8球目、144キロ直球を見送って四球で歩いたが、楽天、巨人と渡り歩いたベテランは、捕手目線でこう証言した。

「吹き上がるようなイメージでした。(ベンチ内でも)みんな真っ直ぐがいい、と言っていた。決して体は大きくないのに、手足が長い人が投げるような真っ直ぐを投げる。抑えやっている時の武田久さんや岩隈久志さんのような真っ直ぐのイメージでした。ウチのチームでいったら、小川(泰弘)も似たような真っ直ぐを投げる」

 チームは2点を追う6回に吉田輝から1点をもぎとり、7回以降は8得点。逆転勝利を飾った。現役時代に日米韓台と4カ国で活躍し、通算347セーブを挙げた高津臣吾2軍監督も称賛の嵐だった。

「下半身しっかりしているし、体の強さであったり、腕の振りの強さは素晴らしいな。なかなか18歳ではいないですね。他のチームですが、成長したら、将来すごい投手になるんじゃないですか? 打者は『スピードじゃなくて、キレがあるので気を付けないといけない』とベンチで話をしていました。思ったよりキレとかスピンとか力があるんじゃないかなと。ヤクルトにはいないタイプ」

 まだ高卒1年目。荒木2軍監督は次回登板にも2軍戦で先発として起用する可能性を示唆した。吉田輝は試合後に「(自己評価は)マイナスですね。評価は低いです。(ストレートで)押せたというよりもストレートしか投げられる球がなかった。それでバッターの打ち損じを待つ状態だった」と反省しきりだったが、今後の将来を期待させるには十分な公式戦デビューとなった。(Full-Count編集部)