18日、日本代表の合宿が横浜市内でスタートした。今回は東口順昭、シュミット・ダニエルのアジアカップ組に加え、森保一監督になって初めて中村航輔が招集されている。

久しぶりの招集に中村は「自分の頭の中には(日本代表が)常にあったのでここに来られてうれしいですけれども、代表チームとしてゲームに向かい、勝利をつかむという目標に向かって進んでいきたいと思います」とにこやかに語った。

現在のシーズンで3人のGKそれぞれの失点数を打たれたシュート数(被シュート数)で割り、失点率を調べると東口とシュミットは約13パーセント、中村は8パーセントと、中村の数字が一番高くなる。

もちろん、東口とシュミットはJ1、中村はJ2でプレーしており、中村も「(J1とJ2は)もちろん違う」と認めている。だが、シュートを防ぐ能力が高いという中村の特長は、今も変わっていないはずだ。

ただし、中村がすんなりレギュラーの座を射止めるかというと、そうではないだろう。森保監督はGKからボールをすばやく展開して攻撃をスタートさせる。東口とシュミットは2018年9月からアジアカップまでトレーニングを重ねている。理解力はこの2人の方が上だろう。中村は早く森保監督のコンセプトを理解し、フィールドプレーヤーの動きを憶えなければいけないはずだ。

森保監督のサッカーについて聞かれた中村は、「チームの利益になるといったことを監督が求めるのであれば、どのポジションでもどんなときでも、個人よりも優先してやっていくのが選手だと思ってますので、そこを含めて頑張りたいと思います」と、生真面目に答えて報道陣の前を去って行った。

今回ワールドカップのメンバーが戻ったことで、本命なき正GK争いがますます混沌としてきた。コロンビア戦、ボリビア戦の2試合で3人のGKのうち誰が使われるのか、注目すべきポイントと言えるだろう。

【文・撮影:森雅史/日本蹴球合同会社】