終始ご機嫌な様子で合宿初日を終えた香川。今回の2連戦で中盤の序列を覆すか。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 森保一監督はまた、面白いスカッドを発表したものだ。

 過去と未来が繋がるし、実にバランスの取れたメンバーだろう。私自身、予想だにしていなかった選手が数人いるが、いずれも一度日本代表で観てみたいとは思っていた。サプライズとまではいかないが、「そう来るか」と唸らされる23人の構成である。

 ただ、現段階での最強メンバーではなく、実験的なスカッドと見るのが正しい。そこにはさまざまな様子が絡んでいたと思う。

 ひとつはもちろん、今回のキリンチャレンジカップ2連戦(対コロンビア戦、対ボリビア戦)はあくまで親善試合であり、新しいメンバーを試す絶好のチャンスだということ。ニューフェイスと言えば、代表初招集の畠中槙之輔、安西幸輝、鈴木武蔵、鎌田大地の4人だけではなく、ロシア・ワールドカップ以来の香川真司、昌子源、宇佐美貴史らも含まれる。

 もうひとつ、欧州の各国リーグはシーズン終盤戦を迎えていて、海外組の招集をできるかぎり抑えるという外交的な側面もあっただろうか。とりわけ、6月のコパ・アメリカで最大限に海外組を招集したいのであれば、疲労や故障を危惧する所属クラブの思惑や利益も配慮しなければならない。今回は海外組と国内組が半々の割合となったが、こうした背景があったのは容易に想像ができる。

 いずれにせよ、今回の3月シリーズがコパ・アメリカの準備という位置づけである点に変わりはない。仮に海外組をあまり招集できないなら、国内組のオプションを増やすのは大事なミッションとなる。

 
 最大の注目はやはり、香川の存在だろう。彼の参戦によって中盤には特大の刺激がもたらされる。

 ロシア・ワールドカップの西野ジャパンにおいて、香川、乾貴士、柴崎岳のセットは攻撃の核となっていた。長谷部誠が代表を引退し、大迫勇也と原口元気のふたりも今回招集外となったため完全な再現とはならなかったが、いまでも一緒にプレーさせたなら強力な連携を保証する3人である。

 そこに、森保ジャパンの核である中島翔哉、堂安律、南野拓実がどう絡むか。アジアカップとはまた違った視点で、ポジティブな化学反応が見込めそうだ。ワクワク感しかない。ヴィッセル神戸での存在感が際立つ山口蛍の安定感と経験も、新たな中盤のバランスのなかで重要な役割を果たすだろう。
 個人的にやや想定外だったのが、畠中と鈴木の両選手である(申し訳ない!)。

 横浜F・マリノスは今季まだ取材に足を運べておらず、畠中の現在のコンディションについてはあまりよく把握していないが、東京ヴェルディ時代にも注目していた守備者なので、とても期待している。鈴木については、いずれA代表にも呼ばれるだろうと感じていた。ただ、このタイミングとは思わなかった。今季の開幕戦、北海道コンサドーレ札幌が湘南ベルマーレに0−2で敗れた試合を観戦したが、ゲーム終盤にアンデルソン・ロペスに代わって登場してきた鈴木に、それほどの勢いはなかったからだ。ところがどうだろう。その後の2試合で鮮烈なゴールを叩き出し、映像で確認したところ、圧倒的な走りでカウンターの急先鋒となっていた。シュート精度もずいぶん高まった印象だ。カウンターに強みを持つという意味では、強豪国相手のコパ・アメリカでは大きな武器となるかもれない。

 一方で、早くコールしてほしいと願っていた鎌田と安西も選ばれた。安西は普段からよく取材しているので分かるが、代表でも十分通用するタレントだと確信している。鎌田はブンデスリーガ時代こそ好成績を残せなかったが、今季のベルギー・リーグでゴールラッシュを決め込んでおり、どんな進化を遂げたのかをこの目で確認したい。それはファンの方々も同様ではないだろうか。