メルマガ『堀江貴文のブログでは言えない話』の著者としてお馴染みの、ホリエモンこと堀江貴文さん。そんな堀江さんの人気YouTubeコンテンツ『ホリエモンチャンネル』に、人気ファッションアドバイザーでメルマガ『【最も早くおしゃれになる方法】現役メンズバイヤーが伝える洋服の着こなし&コーディネート診断』の著者・MBさんが再び登場! いつものように濃厚かつ過激なトークが繰り広げられました。第1回目の今回は「レッドオーシャンに見える業界も、意外とそうじゃない」という話から、最近何かとお騒がせな「ZOZO」の話題へ。お二人が「今後のZOZOはヤバい」と口をそろえる理由とは?

 

MB 洋服もそうですね、レッドオーシャンのように見えるけど。あんまり自分のブランドの売り上げとかって言わないんですけど、去年一年間で一番売れたものがあって。まぁ枚数が決まってるから、一番売れたって言っても1000枚で止まってたりするんですけど。そのなかでも瞬殺でなくなったのが、ミドルコートっていうコートの中に着るものなんだけど。

それってなぜ作ったのかというと、ユニクロのコートの中にドッキングさせるために作ったんですよ。ユニクロでめっちゃ売れてるコートがあって、そのコートをみんな着てるんですよ、ビジネスでも着られるようなコートだから。だから、それにプラスアルファで買うと、みんなが着ているユニクロのコートが、みんなが着ているコートじゃなくなるよっていう提案をしたんです。

寺田 あぁ、ちょっとオリジナリティを出せるんですね。

MB そうなんです。もちろん単体でも着れるんですけど、プラスオンでユニクロのアイテムにセットすると、めっちゃ格好よくなるよって提案したら、これがめっちゃ売れて。

みんなユニクロと戦おうとするんだけど、そんなことをしても勝てるわけがないんだから、数の論理で。だから敵にしないで味方にしようと考えたんだけど、アパレルの人ってそういうことを考えないから。まぁ、飲食もそうなんですけど。みんな真っ向勝負をしようとして、泥沼にハマっていくんですよ。安売りでハマっていく人と、あまりにもニッチな方向にいってハマる人の2通りがあると思うけど。

堀江 コメントで「最近のZOZOですね」ってあるけど。

MB (笑)。絶対、今日、ZOZOの話が出てくると思ってた。

堀江 いやぁ、最近のZOZOも泥沼ですね。PB泥沼。

MB PBは泥沼ですよね。ZOZOがPBを始めたときに、読者さんは覚えてるかもしれないですけど、「ZOZOがPBやるのはおかしい」って僕は言ってたんですよ。

堀江 へー、そうなんだ。

MB プラットフォーマーがPBをやるのは、絶対におかしいと思います。今のZOZOって、PBをやってるのもそうなんですけど、結局ガッツリ集客できてる理由というのが、いっぱいブランドが集まってて、それぞれのブランドに集客力があるから集まってるわけであって、ZOZO自体にものすごく魅力があるわけじゃないと。まぁ、今となっては魅力はあるけど。

とにかく本来は、ブランドの集客力で戦っているわけじゃないですか。で、ブランド目当てで来た人に、ブランドよりも安いスタンダードなアイテムをPBで売るっていうのは、ブランドさんからするとあんまり面白くない話ですよね。それにプラスして、ZOZOが今陥ってるのが、客単価が減ってるということ。いろいろとニュースにもなってるけど、2年前とかと比べて、ガクンと落ちてるんですよ。

堀江 そんなに落ちてるの?

MB 一品単価ですね。つまり、昔だとひとつあたりのアイテムが7000円で売られていたのが、今のZOZOって3000〜4000円ぐらいなんですよ。それはなぜかというと、楽天系のブランドをガンガン誘致しちゃったから。楽天で見かけるような超安売りブランドをガンガン入れちゃったんです。そうなると、ブランドさんがZOZOに入って来ても、そのブランドの集客力でPBが売れていっちゃううえに、ランキングには安売りブランドがガンガン乗っちゃうから、他のブランドのイメージもどんどん崩れちゃって。いわゆる中堅から高級ブランドに関しては、ZOZOにいる理由がなくなっちゃうんですよ。

堀江 コンビニでも最近はPBが多いけど、コンビニはコンビニ自身が集客しているからね。みんな、うまい棒やガリガリ君を買いに行ってるわけじゃなくて、コンビニに行ってるんだもん。

MB そうなんですよ。だからZOZOは、ZOZO自体が集客元となってるわけじゃないんですよ。ブランドが集客元となっているのに、そういうプラットフォーマーの状態でPBをやっちゃうと、大概コケると僕は思うんですけどね。

寺田 確かにそうかも。

MB PBをやるなら、もっとピンポイントでやるべきだったと思うんですが、結構幅を広げちゃってる。例えばTシャツを一型、デニムを一型とか、そういうレベルだったら、まぁ別にいいかと思うんですけど、ガッツリとスーツをやって、ドレスシャツをやって、チノパンをやってっとなると、それは大分キツイですね。

堀江 なんかZOZOスーツをやり始めた時は、PBは50アイテムまでって言ってたんだけどね。

MB なるほど。じゃぁ、そういう視点は持ってらっしゃったんですね。

堀江 まず、ZOZOスーツが壮大にコケましたもんね。あれって、まだ一年前か。去年のホリエモン万博で、俺が来たばっかりのZOZOスーツを着てたもん。

MB 堀江さん、早かったですもんね。

堀江 だって俺、モデルやってたから。

MB そうだそうだ。確か旧型のやつでしたよね。

堀江 そうそう。量産型じゃないやつ。でも、水玉のやつになってみんなガッカリっていう。

MB そうそう。それに当時は精度が低くて。

堀江 コレジャナイ感があったよね。だって、あのスーツって最初は着ればすぐバチっと出てたからね、アプリに。

MB そうなんですよね、初期型は。2代目はヤバかったですもん。だって、何回もこう回ってガシャガシャガシャってやって、最後までやったと思ったら、アプリが落ちるっていう。「え、もう一回?」みたいな(笑)。

でも、それって前のホリエモンチャンネルでも話したけど、ZOZOスーツって、通販で買うハードルを下げるってことじゃないですか。初心者さんやファッションがわからない人が、ZOZOスーツで計測をして、サイズの心配を無くすっていう。そんなファッションに興味のない人たちが、わざわざ十何回も回って、アプリが落ちるのも我慢してまで、そんな作業やるかっていう話で。「だったらユニクロ行くでしょ」みたいな。

堀江 そうなんだよね。

MB だから、ターゲティングとそのアプローチを間違ってるというか、齟齬があるんだと思います。

堀江 旧型のZOZOスーツで得られたユーザー体験でないとダメだったんですよ。

MB そうなんです。

堀江 ということは……ヤバいってことですね。

MB そう、ヤバいんです。結構ヤバい。まだヤバいの始まりぐらいなんで実感してないと思うんですけど、これから大変だと思います。

堀江 これからはブランドがどんどん抜けていくと。

MB そうでしょうね。だって中堅からハイクラスブランドは、もうZOZOに入るメリットがないですもん。入ってもPBとか安物に流れちゃうから。

寺田 しかも、ZOZOは安く服が買えるっていうイメージが付いちゃったら……。

MB そうなんですよ。ブランドイメージが崩れちゃうから。なおかつ手数料もすごく高いから、「だったら自社のサイトを伸ばしたほうがいい」ってことになりますよね。それで客数が3〜4割減ったとしても、自社サイトでの直販のほうが利益は取れるので。だから、ZOZOはちょっと難しい状況になってくるでしょうね。

でも、アパレルってホントに頭が固い業界なんで、何も誰も動かないんですよ。だからZOZOがZOZOスーツをやったり、スタイリングして定期便で届けるサービスを始めたりとか、いろいろと失敗もしてるけど、そういう風にZOZOが動いてくれてるから、業界が活性化してるという一面はあると思うんです。たとえ失敗したとしても、それで話題ができて業界が潤うから。先の展望は弱いけど、ああいうテック的な動きをしてくれるアパレルの企業が出てきたのは、すごくうれしいと個人的には思っています。

堀江 ZOZOのコンサルとかやんないんですか?

MB いやぁ……声がかからないでしょうね。やれと言われれば、全然やりますけど、田端さんとか言ってくれないかな。お待ちしてまーす(笑)

堀江 田端くんとは知り合いじゃないの?

MB 僕のTwitterはなぜかフォローしてくれてますけど、直接会ったことはないですね。

堀江 ZOZOは、田端、雇ってる場合じゃないんじゃないの?(笑)

MB どうなんでしょうねぇ(笑)。でも僕、それなりにアドバイスできるような気がするんだけどな。

堀江 確かに今のアドバイス、聞いたほうがいいよ。今のZOZOは間違ってるもん。

MB そうですね。明確に間違ってると思います。

堀江 それに、これって修正しにくいよね。

MB そうなんですよ。もう方向転換は無理だと思います。

堀江 もう完全に安売りブランドになっちゃった。

寺田 え、じゃぁもう立ち直るっていうか、方法はないものなんでしょうか。

堀江 それに今はマスコミがね。格好の叩きネタにしてるからね。

MB そうですね。安売りだからこそマスコミのパッシングには弱いじゃないですか。ブランドとしてちゃんと世界観を作ってたら、ある程度マスコミが騒いでも跳ね返せるけど、安物って結局は値段勝負なんですよね、さっきの飲食の話と同じですけど。コストで戦ってるんですよ、今のZOZOの上位のブランドって。ということで考えると、話題性とか世の中の流れにすごく弱いから、結構マズいですよね。

堀江 今、すごい叩かれようだよね、ZOZOは。何でも叩かれるもん。

MB そうそう。……面接官をやったとか、ホントかよ!っていう(笑)。

堀江 (笑)。ヤバいよね。叩かれ方が半端ない。

寺田 話を聞いていると、崩れていく音しか聞こえないですが、なんか方法がないのかなって。

MB いや、優秀な方々が揃ってますから、ここから立て直しができればいいんですけど、どうでしょうね。今はあんまりビジョンが見えないですけどね。

堀江 でもユニクロとかだって、一時期ダメな時期はあったもんね。

MB そうですね。ユニクロはちゃんと盛り返してますからね。まだまだ分からないですよ。

寺田 ユニクロって一時はめっちゃ安いってイメージだったけど、今はそれなりに値が張るものも売ってて、それが売れてますよね。

MB その上、ユニクロは驚くことに通販比率がまだ10%未満という。まだまだ店頭でガツガツ売ってるから、これからどんどん展望がありますよ。ユニクロの通販は物流もシステムもまだまだ弱いけど、そこが改善されれば……。ただ、あそこは何でも自社でやろうとする癖がありますよね。さっさと外に投げればいいのに、自分たちでやろうとするから、動きが遅くなるんですよ。でも通販が改善されれば、ユニクロはもっともっと売れるようになるんじゃないですか。

寺田 確かにユニクロを通販で買おうと思ったことないかも。

MB そもそも通販で買うっていうのも、まだまだなんですよ。普通にオシャレに興味がない人……新潟でホテルマンしてるウチの兄貴もそうなんだけど、話を聞いたらAmazonを今まで使ったことないっていうんですよ。田舎ってそんなもんなんだなって思って。

堀江 逆に田舎に住んでる人のほうが、Amazonって便利なのにね。

MB そう。逆にそうなんですけどね。

堀江 しかも書籍とかでも、紙のものはもう読まないもんね。

MB そうそう。僕らはそうじゃないですか。ただ本はともかく、洋服に関してはまだ通販で買うのにハードルがあって、まだまだ普通の人は店頭で買ってるんですよ。だから店頭がないZOZOって、結構大変だと思います。ユニクロの柳井さんも「店頭がないアパレルなんて無理」っていうことを明確に言ってて、ZOZOのことを批判してるんですけど、おっしゃることはわかるなって思いますね。

堀江 そっちのほうに行けばよかったのに、ZOZOは。

MB それが一回失敗してるんです。ZOZO展示会みたいなのを昔やったんですよ、幕張かどっかのデカい会場を借りて、ブランドとかを山ほど誘致して、ブランドのサンプルを揃えて、「日本で活躍しているブランドはすべて見れるぜ」みたいな感じで。でも、それが大コケしたらしくて。

堀江 へー。なんでなんだろう?

MB なんでなんでしょうね。ただ、ネット通販を見てる人がそもそも実はそんなに多くないってところがあると思うんです。

堀江 逆に通販で買う人は、店頭に来ないよね。

MB そうそう。実は店の売り上げも、いまだに大阪のショップとかもそうですけど、半分以上は店頭で買ってるから、店頭のお客さんをまず見ないと、パイが取れないんですよ。

堀江 ZOZOは店頭が関係ないっていうか、店頭では知られてないもんな。

MB そうです。アカウントを持ってないってことですから。

堀江 そうか。だからブランドもZOZOの軒先を借りる必要がないんだな。

MB 冷静に考えるとそうなんですよ。

堀江 ZOZOとしては、都心の一等地にビルを建てるぐらいしかないよね。

MB それはいいかもしれないですね。

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