例年この大会にはブラジルからの日系三世や、体に不自由のある人たちや、特別な人たちが混じっていて、しかも彼らが受賞するケースが多かった。なんとなく出来レースじみていて、筆者は批判する場合があった。今回も異様に若い人たちが多くて、中年以上のチャンピオンはいないのかと、突っ込みそうになっていたが、結果は歌唱力に異論があまりなかったので、例年より感じがよかった。

13人の出場者のうち、最後の13番目に28歳の青年が、『花になれ』という歌をうたって優勝した。この男性は佐賀県伊万里市在住の理学療法士で、タテヨコともにガタイの大きな、どちらかといえばルックス的にはもっさりした青年である。だが、声はハイバリトンともいえる高いトーンでソフトな優しい歌唱だ。筆者も採点していて、13人中、3人だけにBプラスをつけた1人であった。納得。

審査員に足のよたよたした黒柳徹子もいたが、講評は内容がなかったから、もうこの人にはご遠慮いただきたい。むしろ、プロの作り手である水森英夫や都倉俊一などの真っ当なアドバイスの方が数倍面白かった。褒めるばかりでは意味がない。それにしても近頃のガキんちょの度胸のいいこと。十代の出場者が堂々と歌う。むしろ歌手たちにド下手なのが多いので、自分も負けじ、とカラオケで練習するからだろうか。受賞しなかった人たちもそこそこ上手だった。大分市から来た51歳の医師が素晴らしかったのに落選で残念!(放送2019年3月2日19時30分〜)

(黄蘭)