GI桜花賞(4月7日/阪神・芝1600m)のトライアルとなるGIIフィリーズレビュー(阪神・芝1400m)が3月10日に行なわれる。

 まだまだ成長過程にある若き乙女たちによる”桜”の権利(3着以内)獲りをかけた真剣勝負。それゆえ、当日の調子やレースの展開など、ちょっとしたことが勝敗の行方を左右する。

 実際、過去の結果を振り返ってみると、波乱の傾向が見て取れる。過去10年の勝ち馬を見ても、1番人気はわずか2勝。8番人気が2勝、6番人気と9番人気が1勝ずつと、伏兵がたびたび金星を挙げているのだ。

 今年はアウィルアウェイ(牝3歳)が抜けた1番人気となりそうだが、こうした傾向を鑑(かんが)みれば、決してひと筋縄では収まりそうもない。まして、ここまでに行なわれた3歳クラシックの前哨戦やトライアル戦が波乱に満ちていることを考えれば、なおさらである。

 そこで、過去10年の結果を参考にして、今年のレースで激走しそうな”穴馬”を探し出してみたい。

 最初のヒントになるのは、オープンクラスでの勝ち星がある馬だ。

 2012年に8番人気で2着となったビウイッチアスはカンナS(中山・芝1200m)、2014年に6番人気で3着となったエスメラルディーナはジュニアC(中山・芝1600m)と、いずれもそれ以前にオープンレースで勝利を飾っていた。

 にもかかわらず、それぞれ人気薄にとどまったのは、他の良血馬や素質馬に人気を譲った格好だろう。加えて、ビウイッチアスはカンナSを勝ったあとは善戦止まりで勝ち切れなかったこと、エスメラルディーナはフィリーズレビューがデビュー3戦目とキャリアが浅かったことがマイナス要因となって、軽視されてしまったのかもしれない。

 ともあれ、この時期にオープンクラスを勝っていれば、実績上位。2頭ともその力をトライアル戦できっちり示したのだ。

 そして、今年のメンバーにも、オープンレースを勝ちながら人気が上がりそうもない馬がいる。

 メイショウケイメイ(牝3歳)だ。


前走でオープン特別の紅梅Sを制したメイショウケイメイ

 同馬は、新馬、500万下と連勝したあと、GI阪神ジュベナイルフィリーズ(12月9日/阪神・芝1600m)に出走。そこでは11着と馬群に沈んだが、その後に挑んだオープン特別の紅梅S(1月14日/京都・芝1400m)を勝って、ここに臨む。

 4戦3勝の戦績でオープン勝ちもあれば、ここではトップクラスの実績だが、やはり阪神JFの惨敗が嫌われてか、ここでも上位人気を争うまでには至らない様子。ならば、過去の例にもならって、オープン勝ちの実力を素直に信用して狙ってみるのも悪くない。

 さて、そのメイショウケイメイ同様、阪神JF組の”取捨”はこのレースを予想するうえでは、ひとつのポイントとなる。そんな阪神JF組の、ここでの戦績を見て興味深いのは、意外にも”直行組”が穴を開けているケースが多いことだ。

 典型的な例が2009年。勝った6番人気のワンカラットと、3着に突っ込んできた15番人気のレディルージュは、ともに阪神JFからの直行。その前走では、それぞれ12着、10着と惨敗を喫していたが、見事に巻き返している。

 その他、2014年に13番人気で2着となったニホンピロアンバー、2017年に6番人気で3着となったゴールドケープも、やはり阪神JFからの直行組。阪神JFでは、ニホンピロアンバーが17着、ゴールドケープは6着だった。

 阪神JFで完敗し、しかも同レースからの直行となると、さすがに人気は上がらない。しかし、その間に成長を遂げたのか、そうした馬の激走が過去にはしばしば見られている。

 同様のパターンで臨む馬が今年もいる。

 ラブミーファイン(牝3歳)である。

 阪神JFでは14着に終わった同馬。そこからの直行となれば、評価が上がる要素は見当たらない。まさに、これまでの穴パターンだ。

 しかし振り返れば、同馬はGIII函館2歳S(7月22日/函館・芝1200m)で2着になるなど、実力の裏付けがある。メンバー唯一の阪神JFからの直行だが、歴史が示すとおりなら、今年は同馬が高配当を演出する激走を見せてもおかしくない。

 最後に焦点を当ててみたいのは、前走の舞台。例年、特別戦を含めて前走で500万下を勝ち上がってフィリーズレビューに参戦してくる馬は多数いるが、なかでも穴を開けている馬の多くが、前走で”京都・芝1400m”のレースを使ってきている。

 2011年に5番人気で3着に入ったエーシンハーバー、2018年に同じく5番人気で3着となったデルニエオールがそうだ。また、2016年に8番人気で戴冠を遂げたソルヴェイグ、2018年に8番人気で頂点に立ったリバティハイツも、勝利こそ挙げていないが、前走で京都・芝1400mの500万下を使っての臨戦だった。

 こうした例から、前走で京都・芝1400mの500万下に臨み、そこを勝ち上がってきた馬を狙いたい。実は、今年もその条件にピタリとはまる馬が1頭だけいる。

 キュールエサクラ(牝3歳)だ。

 デビュー戦で2着となったあと、2戦目の未勝利を勝ち上がって、3戦目に挑んだのが、前走の3歳500万下(2月16日/京都・芝1400m)だった。同馬はそこで、単勝1.8倍という人気に応えて、鮮やかな勝利を飾っている。

 同じ500万下でも特別戦を勝ち上がってきた面々と比べてやや地味に映る分、伏兵扱いにとどまる可能性もある。一発を期待するなら、願ってもない存在だ。 2014年には、3連単で175万円超えの高配当が生まれているフィリーズレビュー。まもなく訪れる花見の季節を豪勢に楽しみたいなら、ここに挙げた3頭の大駆けに期待してみるのも一興ではないか。