中国で空前の犬ブームが起きている。2016年まで続いた一人っ子政策の影響で、犬をきょうだい代わりにわが子にプレゼントする親が増えたことが原因だ。犬の市場規模は約2兆円にもなるが、リードをつけずに犬を放したまま散歩をする飼い主が多く、犬が通行人にかみついたり、抗議した通行人と飼い主がけんかになったりとトラブルが相次いでいる。

中国・浙江省で、リードをつけずに散歩していた小型犬が小さな子どもを追いかけ回し、それを母親が身を挺して守る様子が監視カメラに映っていた。母親が犬を叱ると、飼い主がやってきて母親に殴りかかる。飼い主はその後、警察に連れて行かれたという。

SNSに投稿された別の映像では、大型犬をノーリードで散歩させる飼い主が撮影者に殴りかかり、「別に犬が人をかんだっていいだろ。医療費を払えばいいんだろ」とまくしたてていた。

中国人ジャーナリストの周来友氏は「中国では狂犬病のワクチンを接種していない犬が多いのが現状です。ノーリードの散歩問題は死を招く危険性もあります」と指摘する。

日本では狂犬病の感染報告は1957年以来ないが、中国では犬にかまれた子どもが狂犬病で死亡するケースが発生している。

着色して希少犬として売る悪徳業者

さらに、周氏は「犬を売買する違法業者も急増しています」と報告する。高額で売れるゴールデンレトリバーを地下室に閉じ込めるなど、劣悪な環境で犬を繁殖させる「犬工場」が横行しているほか、民家の庭先から犬を盗んだり散歩中の犬をひったくったりする窃盗事件も相次いでいる。

インターネット上で犬を販売し、段ボール箱に入れて配送する業者もいて、配送中に犬が死ぬことが珍しくないという。犬を虎やパンダのように有害な塗料で着色し、希少犬として高値で販売する詐欺も少なくない。

相次ぐトラブルに、中国政府も対策に乗り出した。北京や上海などでは「一家1匹政策」が打ち出されているほか、山東省ではノーリード散歩や近所への迷惑行為に応じて飼い主に減点を課し、一定の点数に達すると犬を没収するシステムを導入している。

司会の国分太一「日本でもいえることですが、動物をブームにしてはいけないですね。ブームになるから悪徳業者が出てくる」

原晋(青山学院大陸上部監督)「犬はいまやわれわれにとって家族となっています。中国ではそのような文化や歴史がはしょられていて、まだモノ扱いされているような感じですね」

堀尾正明キャスター「きのうから始まった全人代で、ぜひ犬問題を話し合ってほしいです」