2019年クラシック候補たち
第5回:アウィルアウェイ

 注目の3歳クラシックがおよそ1カ月後に迫ってきた。現時点で有力視されているのは、昨年末に行なわれた2歳GIの上位陣だろう。

 だが、GIに出走していなくても、クラシックの有力候補になりうる馬はいる。その1頭が、栗東トレセン(滋賀県)の高野友和厩舎に所属するアウィルアウェイ(牝3歳/父ジャスタウェイ)である。


フィリーズレビューで復帰するアウィルアウェイ

 同馬は、先日のGIII東京新聞杯(東京・芝1600m)を制し、今後マイル戦線での飛躍が期待されるインディチャンプ(牡4歳/父ステイゴールド)の妹。早い時期から順調に調整を重ねると、初陣となった昨春の2歳新馬(6月9日/阪神・芝1200m)では断然の1番人気に推された。

 実際、同レースでは人気どおりの圧巻の競馬を披露。スタートで大きく出遅れながらも、道中でそのロスを挽回すると、直線ではムチを入れることもなく、大外から悠々と差し切り勝ちを収めた。

 さらに、2戦目のオープン特別・ダリア賞(8月4日/新潟・芝1400m)でも強烈なパフォーマンスを見せつけた。再びスタートでは出遅れるも、馬群の後方を追走し、直線に入ると瞬時にして大外を強襲。最後は懸命に追いすがる他の馬たちを持ったまま蹴散らして、堂々の2連勝を飾った。

 3戦目は、有力牡馬も集うGII京王杯2歳S(11月3日/東京・芝1400m)に挑んだ。スタートはおおよそ五分に切るも、二の足がつかずに位置取りはまたも後方へ。それでも最内に進路をとって、直線では目前にいる人気のファンタジストの動きを見つつ、ほぼ同時に仕掛けていった。

 先に抜け出すファンタジストを懸命に追いかけるアウィルアウェイ。最後はほとんど馬体を並べてゴール板を通過したが、わずかハナ差屈して2着となった。

 勝ったファンタジストは、このレースの前にGIII小倉2歳S(9月2日/小倉・芝1200m)を制覇。さらにこのあと、GI朝日杯フューチュリティS(12月16日/阪神・芝1600m)でも4着と奮闘した実力馬である。それほどの馬を最後に追い詰めたことを考えれば、「負けて強し」の内容だった。

 通常であれば、アウィルアウェイはこのあとGI阪神ジュベナイルフィリーズ(12月9日/阪神・芝1600m)に向かうところだが、軽傷を負ったため、同レースは大事をとって回避。休養に入った。

 そして、クラシック本番を前にして、GIIフィリーズレビュー(3月10日/阪神・芝1400m)で復帰する予定だ。アウィルアウェイのここまでの過程について、関西競馬専門紙のトラックマンが振り返る。

「年末のGIに向かわなかったのは、前走後に球節を捻挫したためのようです。それでも、『休ませたことで、馬体に幅が出てパワーアップした』と高野調教師は話していますし、調教の動きも文句ありません。『乗りやすさも増した』とのことで、休んだことがプラスに働くのではないでしょうか」

 フィリーズレビューのあとは、牝馬クラシック第1弾となるGI桜花賞(4月7日/阪神・芝1600m)が目標になる。前哨戦からの200mの距離延長について、先述のトラックマンは「陣営は大きな問題にはならないと見ているはず」と言う。それよりも、スタートの出遅れを課題と捉えているようだ。

「陣営は『能力こそ高いが、レースがうまくない』と話していて、なかでもスタートを問題視しています。そのため、この中間もゲート練習をかなり積んでいました。この練習の成果が出てうまくスタートを切れるようなら、パフォーマンスはさらに上がるかもしれません。復帰戦では、その点も注目です」

 スタートで出遅れながら、それでもこれだけの結果を残せているのは立派。その欠点を克服できれば、GIでの快走も視野に入ってきそうだ。 実績豊富な強力な面々が待ち構える3歳クラシック。アウィルアウェイはそれらの手強い”ライバル”として、大舞台へ向かうことができるのか。復帰戦から目が離せない。