アップル、折りたたみ式ディスプレイを「温める」特許を出願。フォルダブルiPhoneもありうる?
先日もアップル共同創業者の1人スティーブ・ウォズニアック氏(愛称ウォズ)が「折りたたみiPhoneが本当に欲しいんだ」と発言していましたが、そうした「フォルダブル」にまつわる特許をアップルが出願していることが明らかとなりました。USPTO(米国特許商標庁)が公開したアップルの特許出願は、折りたたみデバイスにおいてディスプレイが冷たくなると柔軟性が失われ、損傷しやすくなる問題に対処しようとするもの。「折りたたみ部分を暖かく保ち、曲げやすくする」ことに同社が取り組んでいることを示しています。

具体的には、ディスプレイが冷えているときにはヒンジ(蝶番)周りを曲がりやすくするため、ヒンジと重なるディスプレイを部分的に加熱する。そして折りたたみデバイスには「ヒンジと重なる部分のディスプレイ温度を測定する温度センサ」や「ユーザーの入力を受け付ける装置、あるいはデバイスを使うために持ち上げたと感知するモーションセンサ」を内蔵してもいい、といった内容です。

つまりスマートフォンが使用中、あるいは持ち上げられたときは、次に折りたたまれたり広げられたりするるかもしれないので、ヒンジ付近のディスプレイが温められるわけです。

特許に記載された、ディスプレイを温める方法は2つ。1つはヒンジと重なる部分のディスプレイ画素を発光させて、自ら発熱させる。もう1つは画素とは別に、加熱素子などを内蔵すること。前者(おそらく最大輝度で発光させる)は追加のハードウェアも不要で、より効率的と思われます。

その一方で、本特許では「ヒンジと重なる部分のディスプレイ温度が所定の温度より低いとき、電子装置およびディスプレイの折り畳みを防止するラッチ機構(留め金)の制御回路」にも言及されています。

すなわち加熱速度が遅くてユーザーを待たせる場合もあると認めた上で、十分にディスプレイが温まっていない間は、不用意に折りたたみあるいは開けないようにする安全装置を組み込むというアイデアです。

アップルは毎週のように特許を出願しており、その中で実用化あるいは製品化にこぎ着けるものはごく一部。今回の特許出願も折りたたみiPhoneに繋がるとは限りませんが、様々な試行錯誤を重ねて、ウォズ氏に「本当に欲しかったiPhoneはこれだろ」と言わしめる新製品を送り出すのかもしれません。