3歳クラシックのトライアル戦がいよいよスタート。今週末、関東ではGII弥生賞(3月3日/中山・芝2000m)が行なわれる。

 牡馬三冠レースの初戦、GI皐月賞(4月14日/中山・芝2000m)への優先出走権(3着まで)が与えられ、同レースはもちろん、牡馬クラシック第2弾のGI日本ダービー(5月26日/東京・芝2400m)を占ううえでも、重要な一戦となる。

 実際、過去10年の勝ち馬から2頭のダービー馬、1頭の皐月賞馬が誕生し、他に3頭がどちらかのレースで馬券に絡んでいる。さらに、2着馬からも2頭のダービー馬が生まれていることから、レースの重要度の高さが推し量れるだろう。

 その分、人気馬がきちんと力を発揮するレースでもある。過去10年で1番人気は6勝、2着1回、3着0回、着外3回と、安定した成績を残している。また、3連単の配当も過去10年で4回は1万円未満の低配当となっており、一見すると穴党の出番はないように見える。

 しかし一方で、3連単で10万円を超える好配当決着が3度あった。そのうちのひとつ、2013年のレースではのちのダービー1、2着馬が苦杯を舐め、3連単は46万1810円の高配当をつけた。

 出走するのは若き3歳馬である。”荒れる”要素は十分にあるのだ。しかも、今年は昨年のダノンプレミアムのような、断然の存在がいない。ゆえに、日刊スポーツの太田尚樹記者は波乱の目もあるという。

「今年もなかなかの好メンバーが集まりましたが、ダノンプレミアムやワグネリアンがいた昨年に比べると……という印象があります。そういう意味では、伏兵馬の台頭も十分に考えられるのではないでしょうか」

 そこで、太田記者がまず注目するのは、ブレイキングドーン(牡3歳)だ。前走、今回と同じコースで行なわれたGIホープフルS(2018年12月28日)では5着だった。

「ホープフルSでは5着に敗れましたが、4コーナーを抜群の手応えで回ってきて、見せ場は十分にありました。スローペースで2コーナーまで行きたがってしまい、最後の直線で屈したのはその影響があったと思います。力負けではないはずで、まだ見限るのは早計です。

 デビュー戦から前走までで馬体重が24kgも増えていますが、同馬を管理する中竹和也調教師によれば、『(ここに来て)またひと回り大きくなっている』とのこと。レースを重ねるなかでの、その成長力には目を見張るものがあります。そして今週も、馬場の荒れた時間帯にCウッドでみっちり追われていました。

 昨秋のオープン特別・萩S(10月27日/京都・芝1800m)では、本馬場入場のときに放馬して競走除外になるなど、気性的にはまだ荒削りなところはありますが、父ヴィクトワールピサも、その父であるネオユニヴァースも中山を得意としていましたから、折り合って走れれば、巻き返しがあると思います」


弥生賞での巻き返しが期待されるブレイキングドーン

「社杯(報知杯)ですので、気持ちよく当てたいです」と意気込むスポーツ報知の坂本達洋記者も、ブレイキングドーンを第一にピックアップする。

「気性面の荒さが課題ですが、前走のホープフルSも5着と掲示板を確保して格好をつけました。そのときに取材した担当の白鳥善人助手(中竹厩舎)によれば、新馬戦は『急ピッチの仕上げで、(馬が)全然できていなかったのに圧勝だった』と話していました。

 同レースで3馬身差の2着に退けたアドマイヤジャスタは、その後に2連勝して、ホープフルSで2着、先日もオープン特別のすみれSで2着と好走。そんな強敵を完封した実績は見逃せません。

 今回、長距離輸送と中山コースも2度目。その分の慣れが見込めますし、能力自体は高いので、かみ合えば一発あっても不思議ではないでしょう」

 続いて坂本記者は、ヴァンケドミンゴ(牡3歳)を推す。昨年の皐月賞で2着となったサンリヴァルの弟だ。

「(ヴァンケドミンゴの)全兄サンリヴァルは、ホープフルS(4着)で本命、そして弥生賞(4着)でも対抗に推した思い入れのある馬です。もっとも、2着に激走した肝心の皐月賞では外枠を嫌って無印にしてしまったのですが……(苦笑)。

 ともあれ、兄は先行力と小回りでうまく立ち回れる器用さが魅力でした。弟も初勝利を福島コースで挙げているように、兄と似たタイプと見ています。

 まだ1勝馬ではありますが、新馬戦(2018年10月20日/東京・芝2000m)では骨のあるメンバー相手に僅差の4着と奮闘。勝ったランフォザローゼスがのちに重賞で2着に入り、3着のサトノジェネシスもその後に2連勝を飾っている状況を踏まえれば、ますます食指が動かされます。

 何が何でも行く馬は見当たらず、ペースも淡々と流れそうですから、好位から早めに粘り込む形を期待したいです。馬券に絡んでくれば、かなりオイシイ配当が見込めると思いますよ」

 実はこのヴァンケドミンゴについては、太田記者も気になるという。

「前走の500万特別・葉牡丹賞(2018年12月1日/中山・芝2000m)では7着と案外の結果でしたが、同馬を管理する藤岡健一調教師によると『ソエや疲れがあった』そうで、本調子ではなかったようです。今回は(中山向きの)血統背景も見込んでの参戦。侮れない1頭です」 東西の記者が挙げた2頭の穴馬が奇しくも一致。クラシック戦線を占う伝統の一戦において、この2頭が思わぬ大波乱を起こし、子どもや孫の進学・就職祝いにビッグな色を付けてくれるかもしれない。