3月2日、阪神競馬場では桜花賞トライアル・GIIチューリップ賞(芝1600m)が行なわれる。

 今年のレースは、昨年の最優秀2歳牝馬で、GIIIファンタジーS(京都・芝1400m)、GI阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神・芝1600m)を含む3連勝中のダノンファンタジー(牝3歳/栗東・中内田充正厩舎)の”2019年始動戦”として大きな注目を集めている。

 やはりダノンファンタジーが圧倒的な人気を集めそうだが、成長著しい3歳牝馬が出走するレースのため、急激に力をつけて同馬を上回る馬が出てくる可能性も低くない。今回はそんな馬を探してみよう。

 筆頭に挙げたいのは、ブランノワール(牝3歳/栗東・須貝尚介厩舎)だ。


チューリップ賞で重賞に初挑戦するブランノワール

 昨年12月22日、チューリップ賞と同じ阪神・芝1600mで行なわれたデビュー3戦目の未勝利戦で勝ち上がり、前走のOPエルフィンS(京都・芝1600m)では4番人気ながら、1着のアクアミラビリスから1馬身1/4差の2着に入っている。勝ったアクアミラビリスの瞬発力はケタ違いだったが、好位追走から早めに先頭に立つ正攻法の競馬で、ゴール前も脚色は衰えず。3着以下の馬を寄せつけない好内容だった。

 未勝利戦の走りも、時計は平凡ながら稍重(ややおも)の馬場を苦にせず、ゴール前では後続を突き放して手綱を緩める余裕があった。デビューから2戦は後方からの競馬で勝ち切れなかったが、ここ2戦は非常に安定感のある走りで成長を感じさせる。

 血統もすばらしい。父ロードカナロアは、昨年の牝馬三冠に加えてGIジャパンC(東京・芝2400m)も制したアーモンドアイの父でもある。アーモンドアイは昨年1月のGIIIシンザン記念(京都・芝1600m)を勝ってから、3カ月レース間隔が開いたGI桜花賞(阪神・芝1600m)を快勝し、現在まで6連勝と快進撃を見せている。

 ロードカナロア自身、2012年スプリンターズSで初のGI制覇を果たした4歳秋からグッと強くなっていったように、産駒にも非凡な成長力を伝えている。アーモンドアイだけでなく、3歳にしてGIマイルチャンピオンシップ(京都・芝1600m)を勝ったステルヴィオの存在もそれを裏づける。

 ブランノワールは母系も優秀だ。半姉ローブティサージュは2012年の阪神ジュベナイルフィリーズを勝った最優秀2歳牝馬で、4歳時にもGIIIキーンランドC(札幌・芝1200m)を勝った活躍馬。牝系を遡ると、3代母マッチトゥーリスキーの子孫にはヴィクトワールピサ(皐月賞、有馬記念、ドバイワールドCの勝ち馬)、アサクサデンエン(安田記念の勝ち馬)などがいる”名門ファミリー”だ。

 さらに、母の父シングスピールはジャパンCやドバイワールドCの勝ち馬で、父系を遡るとサドラーズウェルズに辿り着く系統。ブランノワールと同じロードカナロア産駒で、GIホープフルS(中山・芝2000m)を勝ったサートゥルナーリアも祖母の父がサドラーズウェルズであることから、ロードカナロア産駒にとっても相性のいい血になりつつある。

 底力や大一番での勝負根性などが問われてくるGI戦線をふまえても、心強い血統背景の持ち主と言える。まずはここで大本命馬にひと泡吹かせ、クラシック戦線に向かっていってほしい。

 もう1頭挙げるとすれば、ドナウデルタ(牝3歳/栗東・石坂正厩舎)だろう。昨年11月のGIIデイリー杯2歳S(京都・芝1600m)5着、今年1月のGIIIシンザン記念(京都・芝1600m)9着と、ここ2走は凡走している。しかし、父はブランノワールと同じロードカナロアで、母ドナウブルーはGIII関屋記念(新潟・芝1600m)など重賞2勝の活躍馬。さらに叔母には三冠牝馬ジェンティルドンナがいる良血だ。

 こういった良血馬は、凡走が続いていても急激に成長するこが珍しくない。重賞経験を経ての変わり身に期待してみよう。 以上、ディープインパクト産駒ダノンファンタジーの相手には、ロードカナロア産駒の2頭を推したい。