財務省、マッキンゼーを経て、ロボアドバイザー「ウェルスナビ」を立ち上げた柴山和久さん。資産運用を考え始めた人なら知っておきたい「長期・積立・分散」と、もうちょっと投資をがんばりたい人向けの「コア・サテライト運用」について解説します。

■資産運用の3つのルール

 日英の財務省で予算、税制、金融、国際交渉に携わり、マッキンゼーでウォール街に拠点を置く機関投資家を支援した後、働く世代の資産運用をサポートするロボアドバイザーを提供するウェルスナビを創業した柴山和久さん。

 海外の富裕層が利用するプライベートバンクのようなサービスを、資産運用をどこに相談していいかわからない人が多い日本で、テクノロジーを使って手軽に利用してもらいたいという気持ちで精力的に活動しています。

 その柴山さんに「資産運用で大事なことってなんですか?」とたずねると、いつも「長期・積立・分散です!」と力強く答えてくれます。今回はその「長期・積立・分散」の資産運用について、柴山さんにその意味をひとつずつ解説していただきます。

■世界最大規模のファンドの資産運用とは?

 こんにちは、ウェルスナビの柴山です。さっそくですが資産運用に興味のある方なら「長期・積立・分散」という言葉をどこかでお聞きになったことがあるかもしれません。「長期・積立・分散」の資産運用は、日本ではなじみが薄かったのですが、世界では王道とされています。ここ2〜3年でようやく、日本にも広がり始めてきました。

 「長期・積立・分散」の資産運用とシンプルにまとめると、以下の3つを組み合わせることです。

 「長期・積立・分散」が日本で普及し始めるきっかけとなったのは、金融庁が2016年に発表したレポート(平成27事務年度 金融レポート)です。金融庁はこの中で、「リターンの安定した投資を行うには、投資対象のグローバルな分散、投資時期の分散、長期的な保有の3つを組み合わせて活用することが有効」とはっきり述べています。

 注目したいのは「グローバルな分散」という言葉。日本だけでなく、世界に分散して投資をすることの有効性は、これまで日本ではあまり意識されてきませんでした。

 「長期・積立・分散」が、資産運用の世界的なスタンダードであることは、多くの機関投資家や富裕層の資産運用の中身を見ればすぐにわかります。例として、世界最大規模の資産を運用し、また高い運用成績で知られる、ノルウェー政府年金基金の資産運用をのぞいてみましょう。

 あまり知られていませんが、ノルウェーは北海油田を保有する産油国です。原油収入によって1998年から年金基金を運用しており、運用額は約110兆円と世界最大規模です。北海油田からの原油収入を20年以上にわたって積立投資し、世界中に分散しながら、長期的な視点での運用を続けてきました。私たちが資産運用をするうえで参考にすべき、ベスト・プラクティスだといえます。

 ノルウェー政府年金基金の資産配分(ポートフォリオ)を見ると、 66%が株式、31%が債券、3%が不動産になっています。具体的には、アップルやマイクロソフト、ネスレ、シェル、グーグル、アマゾンをはじめとする72か国、9146銘柄に投資しています。世界全体 のさまざまな資産に幅広く分散しながら、リスクを抑えつつ、長期的なリターンの最大化を狙っているのです。

今井ヨージ[画]、柴山和久[著]

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