チャゴス諸島 英国統治は「不法行為」/米軍基地のため住民強制移住/国際司法裁が勧告

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 オランダ・ハーグの国際司法裁判所(ICJ)は25日、米軍基地建設のためにインド洋のモーリシャスから分離され、住民が島外へ強制的に移住させられた英領チャゴス諸島について、英国の統治は「不法な行為」だと断定し、英政府に対し返還を事実上勧告しました。帰還を求めてたたかってきた元島民は歓迎しています。(島田峰隆)

 モーリシャスが2017年2月、国連総会決議を通じて、非植民地化の過程が合法的に行われたかどうかについてICJに判断を求めていました。勧告に法的拘束力はないものの、植民地時代の終わりに大国と小さな国の間で結ばれた協定の合法性をめぐるテストケースとして注目されていました。

 勧告は「モーリシャスの非植民地化は住民の自決権と両立する形では行われなかった。英国がチャゴス諸島を引き続き統治していることは不法な行為である」と強調。「英政府にはできる限り速やかに統治を終わらせる義務がある」と指摘しました。

 ロイター通信は勧告について「事実上、チャゴス諸島をモーリシャスに返還するよう英政府に求めたものだ」と指摘。英BBC放送も「勧告の中心点は、英国が植民地を手放す際に、基本的人権としての民族自決権を踏みにじったという点にある」と強調しました。

 チャゴス諸島のディエゴガルシア島にはインド洋最大の米軍基地が置かれています。2001年の米同時多発テロ後のアフガニスタン戦争やイラク戦争などで、出撃拠点として使われてきました。

 勧告は「すべての国連加盟国はモーリシャスの非植民地化の完成へ協力する義務がある」と指摘しました。基地を置く米国の責任も今後問われる可能性があります。

 モーリシャスのジャッグナット首相はロイター通信に「チャゴス諸島の人々を含むモーリシャスの全国民にとって歴史的瞬間だ」と歓迎。英BBC放送によると、モーリシャスの首都ポートルイス近郊でICJからの中継を見ていた元島民は「チャゴス諸島で亡くなった家族の墓参りをしたいと願う人々にとっての大勝利だ」と述べました。

 英外務省は「勧告であり判決ではない」と反発しています。