「曲がるディスプレイ」で腕時計型スマホ、TCLが特許出願
画面を曲げられるスマホ「フォルダブル」。サムスンがプロトタイプを発表した際には、複数のスマートフォンメーカーが製品を投入すると予告されています。「曲がるディスプレイ」をスマートフォンでどのように生かすかは各社のアイデアが問われるところですが、中国・TCL集団はこの研究にとりわけ熱心なようです。

TCLは5つの折りたたみ式デザインの特許を出願していることが、CNETの報道により明らかになりました。同社が検討している5つのプロトタイプのうち、4つはスマートフォンを変形させたようなもので、縦にたたむか横にたたむか、画面は内側か外側かといった違いにすぎません。

一方、5つ目は一味違っていて、いわゆるスマートウォッチのようなブレスレット形状です。レノボが2016年に発表した「Cplus」コンセプトの再来と言えます。

TCLの幹部はCENTの取材に対し、2020年内に初の"フォルダブル"なデバイスを出荷すると宣言しています。ただ、それがスマートフォンなのか、テレビやそれ以外の機器なのかは明らかにされていませんでした。

もちろん、特許が出願されたからといって、それらがすべて製品化されるとは限りません。ただ、今回の特許出願には、TCLの興味がスマートフォンにあることを裏付ける意味はありそうです。

とはいえ、どのようなデバイスが出荷されたとしても、ユーザーが思い描くようにはいかないかもしれません。現段階のフォルダブルディスプレイには技術的に未成熟な点があります。

たとえば、紙のように折りたたむことはできないため、スマートフォンなどでは厚みが出てきます。また、特殊な機構を搭載することは一般に、販売価格を押し上げる傾向があります。

そして、ソフトウェアがきちんと動作するのかも定かではありません。AndroidはOSレベルで折りたたみスマートフォンをサポートしていますが(ZTEのAXON Mという先例があります)、フォルダブルディスプレイでどのくらいスムーズに動作するのかは定かではありません。普及当初に出てくる製品は「アーリーアダプター向けモデル」となんとか言えるくらいの完成度にとどまる可能性もあります。
(翻訳元)Engadget: TCL's folding phone projects include a watch-like bracelet