展覧会「横尾忠則 大公開制作劇場 〜本日、美術館で事件を起こす」兵庫で、即興的な公開制作の軌跡を辿る

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展覧会「横尾忠則 大公開制作劇場 〜本日、美術館で事件を起こす」が、兵庫・横尾忠則現代美術館にて2019年5月6日(月・振休)まで開催される。

公開制作で描かれた作品を紹介

「横尾忠則 大公開制作劇場 〜本日、美術館で事件を起こす」では、横尾忠則がこれまでに公開制作で描いてきた作品を、映像・写真などの資料とともに紹介する。

自我を忘れて制作に没頭できる公開制作

1980年代、画家へと転向したもののアトリエのなかった横尾が、制作できる場所を求めてやむなくとった制作の手段が公開制作であった。が、人前で描くことで“見られている”というプレッシャーが加わり、かえって余計な自我やこだわりが消え、制作に没頭できるという実感を得た横尾は、アトリエが完成しても尚、様々な場所で公開制作を行うようになる。横尾の創作のプロセスにおいて、「観客」との共犯関係が作品にスリリングな展開をもたらしているのだ。

80年代後半から90年代にかけては、自身の少年時代の記憶を着想源とした自伝的な主題に取り組んでいたこともあり、即興的な公開制作の機会はそれ以前に比べて減少するようになった。しかしそうした中でも、横尾は制作途上の作品を公開制作によって仕上げたり、公開制作で完成させた作品に手を加えたりすることで、予定調和に陥りそうな局面を打開。作品に思いがけない変化をもたらした。

“Y字路”をテーマに

2000年代の主題で注目すべきテーマは、「Y字路」。2004年以降の公開制作において、描かれる主題のほとんどに「Y字路」が選ばれるようになる。明快な構図かつ、様々な要素を受け入れられる舞台装置として機能する「Y字路」は、スピーディーな制作の場である公開制作にはうってつけの題材であった。また、同時期に横尾の個展が全国各地で相次いで開催されたことも相まって、“ご当地”の「Y字路」作品も描かれるようになる。

また、「Y字路」を主題にした公開制作は、パフォーマンス性を帯びた制作へと発展。工事作業員や鳶服などの衣装を身にまとった横尾が、絵の中のY字路に家を建て、道路を作り、時に壊していく。様々な衣装が、絵画空間と現実空間をつなぐ役割を果たすとともに、横尾自身の個性も消し、与えられた役割に没入させ、忘我状態での制作を後押しした。

詳細

横尾忠則 大公開制作劇場 〜本日、美術館で事件を起こす
会期:2019年1月26日(土)〜5月6日(月・振休)
開館時間:10:00〜18:00(金・土曜日は20:00まで)
※入場は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(ただし祝日・振替休日の場合は開館し、翌平日休館)
会場:横尾忠則現代美術館
住所:兵庫県神戸市灘区原田通3-8-30
観覧料:一般 700(550)円、大学生 550(400)円、70歳以上 350(250)円、高校生以下無料
※( )内は20名以上の団体料金
※障がい者(70歳以上除く)は各観覧料金の半額。その介護者(1名)は無料。
※割引を受ける際は、証明できるものを持参のうえ、会期中美術館窓口で入場券を購入のこと。
※兵庫県立美術館の特別展または県美プレミアムのチケット半券を提示すると、団体割引料金で観覧可能。


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