2月10日に行なわれるGIII共同通信杯(東京・芝1800m)は”クラシックの登竜門”として名高いレースだ。事実、過去10年の勝ち馬から3頭のクラシックホースが、同2着馬からも2頭のダービー馬が誕生している。

 だた、同レースにおける1番人気の信頼度は今ひとつ。過去10年で、2勝、2着2回、3着2回、着外4回と、勝率はわずか2割で、連対率も5割を切っている。そうした状況について、日刊スポーツの太田尚樹記者はこう語る。

「近年、共同通信杯は”皐月賞トライアル”といった様相が色濃くなっていますが、すでにクラシック出走可能な賞金を確保している実績馬は”叩き台”として使ってくるケースが多く、そうした事情から、1番人気の不振につながっているようです。ごまかしの利かない舞台でありますから、実績よりも”真の実力”や本気度を見極めることが大事だと思います」

 ここで人気を裏切った馬は、そのまま脱落してクラシックで振るわないことが多い。逆に結果を出せば、クラシックでの希望が見えてくる。まさしく太田記者が言うとおり、実績や人気よりも”真の実力”を見極めることが重要であり、それが馬券的中にもつながるのかもしれない。

 さて、今年の出走予定馬は7頭。こうなると堅い決着に収まりそうだが、同様に少頭数(8頭)で行なわれた先週のGIIIきさらぎ賞(京都・芝1800m)が波乱の結果となった。雨の影響があったとはいえ、成長過程にある3歳馬の争い。仕上がりや状態、流れや展開によって、どう転ぶかわかならい。2週連続の”大荒れ”があっても不思議ではない。


2歳王者アドマイヤマーズを脅かす馬はいるか?

 では”波乱の主役”を演じるのはどの馬か。

「欠点らしい欠点が見当たらない2歳王者のアドマイヤマーズ(牡3歳)が崩れるのはちょっと考えにくい。でも、まだ底を見せていない(逆転候補となり得る)素質馬を見つけられれば、馬券的にも面白いと思います」

 そう語るスポーツ報知の坂本達洋記者は、当初昨年11月の新馬戦を快勝したシュヴァルツリーゼを推奨していたのだが、同馬が急遽路線を変更して次週の500万特別フリージア賞(2月16日/東京・芝2000m)に向かうことになった。そこで、ひとひねり加えて地方競馬所属のナイママ(牡3歳)をピックアップ。同馬の激走に期待する。

「これといった逃げ馬が見当たらないうえに少頭数ですから、このレースはスローペース必至。それなら、積極策に出る可能性がある地方馬のナイママが気になるところです。

 前走のGIII京成杯(1月14日/中山・芝2000m)では後方に控える形で、直前でしぶとく脚を伸ばしてコンマ7秒差の6着と善戦。レースぶりに進境が見られました。鞍上の柴田大知騎手も、『こういう形のほうがいいレースをする』と手応えをつかんでいました。

 しかし今回は、直線の長い東京コース。切れ味勝負となって、好レースができるかどうかは疑問です。昨夏のGIII札幌2歳S(9月1日/札幌・芝1800m)で一気のまくりで先頭に立ち、長く脚を使って2着に粘り込んだことを考えれば、早めに仕掛ける競馬に出ることも、十分にあるでしょう」

 昨夏のオープン特別・コスモス賞(8月11日/札幌・芝1800m)では、のちにGIII東京スポーツ杯2歳Sで2着に入ったアガラスを破っているナイママ。札幌2歳Sでは、その東スポ杯2歳Sを制して重賞2連勝を飾ったニシノデイジーと僅差の勝負を演じ、のちにGIII京都2歳Sを勝って、今回の共同通信杯でも人気の一角を担うクラージュゲリエ(牡3歳)を下している。その実績を踏まえれば、人気の落ちた今こそ、狙い目かもしれない。

 一方、太田記者は、昨年末の新馬戦(12月2日/中京・芝1400m)を勝ち上がったばかりのフォッサマグナ(牡3歳)に目をつける。

「引く手あまたのクリストフ・ルメール騎手が引き続き騎乗するというのは、その素質を見込んでのことでしょう。実際、ルメール騎手に話を聞くと『(フォッサマグナは)能力がありそう。とても乗りやすい。いい競馬センス。1800mもいけそう』と評価していました。

 デビュー戦では、逃げた馬が2着、2番手の馬が3着と前残りの展開となったなかで、フォッサマグナは出遅れ。後方からの競馬を強いられるも、直線大外から強襲し、33秒7という最速の上がりをマークして一気に突き抜けました。

 1分21秒7という勝ちタイムも優秀ですし、同レース2着馬が先週のきさらぎ賞で3着と好走しました。3、4着馬も次戦で勝ち上がっていますから、レース全体のレベルも高かったと言えます。そこで、後続に2馬身半差をつける完勝を収めたのですから、かなり評価できると思います。未知の部分は多いですが、その分、今回が”買い時”と言えるかもしれません」 年明けの3歳重賞戦線は、GIIIシンザン記念、京成杯、そしてきさらぎ賞と、波乱の連続となっている。はたして、不動の2歳王者アドマイヤマーズが出走する共同通信杯でもその流れは続くのか。”穴党”であれば、ここに挙げた2頭の中から勝負してみるのも悪くはない。