「オジサン」の家系図をデザインしました――。鹿児島の水族館が、こんなユニークなTシャツをおみやげとして販売している。


すべて「オジサン」とは?(提供:かごしま水族館

これはかごしま水族館(鹿児島市)で発売中のものだが、魚の家系図が描かれているのに、なぜかすべての魚に「オジサン」と名付けられている?一体どういう意味なのだろうか。Jタウンネットは水族館と、Tシャツの制作者に話を聞いた。

ヒゲがあるからオジサン

実はこの「オジサン」というのはれっきとした魚の名前で、スズキ目ヒメジ科の海水魚である。

かごしま水族館の飼育員の方の話によれば、「オジサン」はヒメジ科の魚の通称で、名前の由来はどの種類も口に長いヒゲがあること。その中でも1種類だけ、「オジサン」がれっきとした和名になった種類もあるそうだ。


こちらが正真正銘のオジサン。ヒゲと、目と背びれのところの縞模様が特徴(提供:かごしま水族館

日本では九州から南の暖かい海域で生息するので全国的には珍しいが、鹿児島周辺では釣りで釣れることもあるという。釣り人の間ではメジャーな通称なのだが、魚介類に詳しくないと何ともユニークに聞こえる名前だ。

現在、かごしま水族館では特別企画展「おしえて!オジサン 魚のなまえのいろいろ」を昨年12月22日から開催しており、Tシャツはこれに合わせての販売だ。


無数の「オジサン」の文字列からのインパクトが強い(提供:かごしま水族館

もとは水族館とは無関係に、与論島に住むおおたかずきさんというデザイナーが制作したもの。かごしま水族館の飼育員さんがTシャツのことを知り、水族館で売ってみようと話が進んだというわけだ。

福岡から与論島に移住したおおたさんだが、釣りや魚介類とは無縁でオジサンという魚の特徴もあまり知らなかったとのこと。しかし魚の名前を聞いた時にとても面白く思い、家系図のアイデアを思いついたそうだ。

家系図では「叔父」にあたるオジサンのところだけ、他とデザインを変えるという仕掛けも。着てみるとインパクトがすごいので、話のタネになっているといった感想もおおたさんの耳に届いているそう。

おおたさんの公式サイトによれば、このTシャツは1枚3800円(税込、送料無料)。同じ家系図をあしらったマグカップなどのグッズも展開中だ。

企画展は4月7日までだが、すでにこのTシャツのために「遠いけど鹿児島に行ってみたい!」などの声もネットに寄せられるなど、じわじわと話題になりつつある。