一度きちんと本物を知っておく、というのは大人になるために必要なプロセス。

すべての面で超一流といわれる名店での時間を過ごせば、自ずとステップアップしているはずだ。

今回紹介するこちらも、まさに超一流。これまでに経験したことのない和食の真髄を堪能しよう。



関西の美食家が涙した!神戸の超高級和食が東京に進出!
@紀茂登


都内屈指の美食の街、神楽坂。食通の大人たちが足繁く通う店が点在するこの街に、神戸から星つきの和食店が進出したのは、わずか数カ月前。

電話番号は非公開で、新規の予約はWEBサイトからのみ。それでも春まで予約はすでに困難といわれ、関西、東京といった日本全国のみならず、世界中の美食家たちが訪れたいと切望する名店。それが『紀茂登』だ。



住宅街に突如現れる漆黒の門。ロックが解除され扉を開けると、竹林の中に浮かび上がるようなアプローチが姿を現す。

一歩一歩、ゆっくりと進むと、まるで外界とのつながりを断ち切るかのごとく、深い暗闇がふたりを包み込んでいく。そして、灯りに導かれたその先にあるのが、暗証番号でのみ開く真の扉だ。



静謐さに満ちた8席のカウンターで供されるのは、最高級の素材を余すところなく使った和食の数々。極限までシンプルな味付けに徹底しているからこそ、素材の旨みがダイレクトに舌に訴えかけてくる。

居住まいを正したり、神聖な気持ちが呼び起こされたような錯覚に陥るのは、御堂を彷彿とさせる空間ゆえ。

余計な装飾が一切排除されているぶん、眼前の料理へのみ集中できる。



余韻は店を後にしてからも続き、やがて“本物の味”の記憶として舌に刻まれる。

己の経験値を高める店を知っているというのも、真の大人の在り方だ。


ひと口食べたら衝撃が走る!極上和食の正体


日本中の美食家が一度は経験したいと言わしめるのがこちらのコース。シンプルイズベストを体現する和食の全容を詳らかにしよう。



水と昆布のみで炊いた淀大根に、鰹出汁を加えたシンプルな一品。どこまでも透き通ったクリアな味わいで、大根の甘みと出汁の旨みが引き立つ。



淡路島産の天然ふぐ。その強烈なまでの弾力と桜色に染まった肝の滑らかな味わいに、静かな感動が押し寄せる一品だ。



和食の華、お椀は蟹ときくらげで。澄み切った昆布出汁と柔らかで肉厚なきくらげが好相性。すっきりした味わいの中に旨味をしっかりと感じさせるのはさすが。



伊勢海老と白甘鯛の刺身。京都から直送された天然の白甘鯛は、香ばしく炙られた皮と歯ごたえのある白身が口の中で反発しながらも最後は溶け合う。



芸術的なまでに美しいピンクの佐賀牛のシャトーブリアンは、じっくり丁寧に低温で火入れ。口に入れるとしっかりと弾力を感じさせながら、とろけるような食感を実現している。


いかがだったろうか。今回紹介した和食の数々を、一度経験すればきっと成熟した大人になれるはずだ。凛とした空間での美食体験を是非試して欲しい。