日本代表、今後を考えなければならない5名

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アジアカップ決勝でカタール代表に敗れてしまった日本代表。

今回は、先日の「日本代表、大会前からの評価を一変させた3名」に続いて、「今後のことを再検討しなければならない選手」をお届けしよう。

吉田 麻也

長谷部誠の後を継ぎ、主将として臨んだ最初の国際大会は彼個人としても苦々しいものとなった。

決勝前日に行われた会見での英語を使ったプレゼンテーションは完璧だったかもしれない。しかしカタールとの決勝では不運もあったものの3失点全てに絡み、ピッチ上には珍しく冷静さを失う彼の姿があった。

ただそもそも、冨安健洋のMVP級の働きの陰に隠れていたが、グループステージから散漫なプレーが見られ、もともと苦手とする小柄な相手に簡単に振り切られるような場面もあった。

もちろんDFを統率するリーダー、チームの精神的な支柱としての貢献度は大きい。しかし冨安がこれだけの安定感を見せ、昌子源の復帰も予想される中においては彼もその争いに加わらなければならないだろう。

柴崎 岳

今大会アクシデントが相次いだボランチ。守田英正に始まり、青山敏弘、遠藤航が離脱し、最後に残ったのは柴崎一人であった。

しかしながらヘタフェで出番を失っている彼も調整不足は明らかで、酷かったというわけではないものの「日本のモドリッチ」とも讃えられた昨夏のワールドカップの状態にはほど遠かったと言わざるを得ない。

振り返ればワールドカップ以前に彼が代表で輝けたことはあまりなく、今回も大迫がいない試合では出しどころに迷うようなところも。毎度、相手や人選に左右されるようでは心許ない。

年齢的にはリーダーになってもらわなければ困る存在であるが、現在のように欧州で出番を得られない状態が続けば盤石とはいえないだろう。

乾 貴士

大会中にアラベスへの期限付き移籍が発表されたが、ベティスで出番を失っていた影響は明らかだった。

昨夏のワールドカップで英雄的な存在となった30歳は、中島の離脱により緊急招集され「10番」を背負ったものの先発したのはウズベキスタン戦のみ。これでは優勝できなくとも無理はない。

代わって起用された原口は欧州で今や闘える男となり、イラン戦のような消耗戦は効果的だった。しかしアイディアの面で弱冠20歳の堂安へ大きな負担がかかっていたことは明らかで、イラン戦を除いて日本代表が失望の出来に終わったこととは無関係ではないだろう。

実力的に疑いの余地がない乾を森保監督が使いこなせなかったともいえるが、その信頼を得られなかったのは間違いなく自身の問題である。

北川 航也

所属する清水エスパルスで結果を残して23名の枠に滑り込んだ北川だが、失望以外の何物でもない大会となった。

エース大迫の負傷、武藤の出場停止もあって出番は少なくなかった。しかしウズベキスタン戦で反転から素晴らしいシュートを放ち片鱗を見せたものの、それ以外に印象的なプレーは皆無といっていい。

大迫の代役が難しかったとしても、自分の色を押し出すこともできなければ、かといって徹底的に味方のサポートにまわるような大胆さもなく、今大会の彼は完全に迷える子羊であった。

大会中には長友からアドバイスを受けていたことが伝えられ、筆者も何らかの変化を期待したが、彼は最後まで自分が代表に必要であることを示せなかった。残念だがまだ早かった、という結論を下さざるを得ない。

槙野 智章

ハリルホジッチ氏の電撃解任によりワールドカップ直前で控えに降格した彼にとって、今回は名誉挽回となるはずの大会であった。

しかしながら初戦こそ先発起用されたものの、2戦目からは11歳も年下の冨安にポジションを奪われることに。控え組が投入されたウズベキスタン戦は彼と三浦弦太の拙い連携から先制ゴールを許し、その後、出番はなかった。

フェルナンド・トーレス(サガン鳥栖)が「素晴らしい選手」と語ったように実力は確かだ。何より、例え試合に出られなくてもその底抜けの明るさでチームを盛り上げられる稀有な存在でもある。

だがセンターバックには若い選手が台頭しており、昌子もフランスで活躍し始めている。その役割だけをもって31歳になった彼がおよそ4枠しかないポジションに選ばれ続ける保証はないだろう。