「直近3年間の中途採用に関する満足度は」(画像: マイナビ発表資料より)

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 マイナビは1月31日、2,665社に調査を行った「中途採用業務の実績調査」を発表した。全体を通して採用者の質より量に不満を感じる声が聞こえる一方、採用する側にも人員不足を訴える回答も目立った。

 調査の中では採用者の質・量に関して「満足」「やや満足」「どちらともいえない」「やや不満」「不満」の回答項目にて質問を行った。採用者の質に対しての回答は「やや不満」「不満」とする回答が24.5%だったのに対し、採用者の量については同じ回答が35.1%。採用者の質より量について不満の声が多く聞かれることとなっている。応募者・内定者についても同様の質問を行ったが、同じ傾向を示した。企業としては中途採用者に対してそもそも応募の段階で数が少なく、それが内定者・採用者の量への不満にも繋がっているようだ。

 調査は企業の規模別で行われていたが、300人以上の規模の企業と比べると60人未満の企業のほうが採用者への量についての不満は強く、34.7%の企業が「やや不満」「不満」と答えた。業種別でみると特に採用者量への不満が顕著なのが「コンサルタント・金融・不動産専門職」で、 「やや満足」「満足」とした割合が15.6%に対し、「やや不満」「不満」と回答した割合が43.8%となった。採用者の質については満足とする回答が不満とする回答を上回っているが、同業界での中途採用の確保の困難さがうかがい知れる。

 人員の不足については応募者のみならず採用業務にあたる側にも感じられているようだ。中途採用の課題について質問したところ、「年収交渉では自社(採用側)の希望年収が優先される」の72.5%が最も多かった一方、次いで高かったのが「採用業務に従事できる人員が不足している」の66.2%だった。「採用費用が不足している(57.9%)」「転職者への研修が不足している(56.7%)」よりも人手の不足のほうが課題と感じられているようである。ポジティブな要素として挙げられた点が「面接官が協力的(74.1%)」、「面接官の日程調整が容易(66.9%)」、「配属先メンバーが採用業務に協力的(64.7%)」となっており、採用業務に対して前向きな姿勢が目立った。

 また外国人や60歳以上の人などの雇用への理解も進んでいる様子も垣間見えた。外国人の採用を考えている企業は54.3%。大手企業ほど高い数値となっており、グローバル展開や多言語対応などが期待されているものとみられる。60歳以上の社員雇用についても現在行っている、あるいは検討している企業の割合は64.4%となった。採用枠を拡大して多様な働き方・人材を受け入れることで、人手不足を乗り越えようとする企業の姿が見られる。