鍋冠山から長崎港と市街を望む。タイミングによっては夜景に客船が加わることも/(C) (一社)夜景観光コンベンション・ビューロー

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冷たく澄み切った冬の空気で一層美しさを増すのが夜景。全国各地でイルミネーションイベントも開催され、光が織りなす情景に魅了される人も多い。その中でも、夜景を目当てに訪れたいのが「日本新三大夜景」に選ばれた3都市だ。長崎市・札幌市・北九州市の3市は、冬ならではの夜景やイルミネーションイベントなど見どころ満載。寒い時期だからこそ行きたくなる各都市の夜景の魅力を紹介しよう!

【写真を見る】異国情緒あふれるグラバー園からの夜景/(C) (一社)夜景観光コンベンション・ビューロー

■ 2期連続で「日本新三大夜景」第1位!異国情緒あふれる長崎市

長崎市は2015年の第1回に引き続き、連続で日本新三大夜景1位に選ばれた日本屈指の夜景都市。「鶴の港」と称される長崎港を取り囲むすり鉢状の地形から、稲佐山・鍋冠山・風頭公園など、各所から夜景を見下ろすことができるのが特徴的だ。同市は「世界新三大夜景」にも認定されており、国内外から観光客が増加するのに伴いライトアップ増設やイルミネーションのリニューアルなど、夜景に対する取り組みが加速している都市でもある。

浦上天主堂や大浦天主堂といった教会のライトアップや、長崎港を望むグラバー園からの眺望など、異国情緒漂う夜景が随所にみられるのも長崎市ならでは。女神大橋のような光り輝く雄大なライトアップから、水面に浮かび上がる眼鏡橋のような趣深い夜景まで、スポットによって表情豊かな景色を楽しめる。

また、毎年約100万人を数える来場者を誇る長崎ランタンフェスティバルでは、約1万5000個のカラフルなランタンが各会場を幻想的に彩る。2019年は2月5日(火)から2月19日(火)まで開催されるため、長崎の夜景を満喫したい人にはこの時期をぜひオススメしたい。

■ 北海道ならではのイベントもライトアップ!雪と光の札幌市

長崎市との接戦の末2位に選ばれた札幌市は、前回に引き続き2度目の認定。北海道ならではの雪景色とあいまった夜景は、ますます人気を集めている。

札幌観光で欠かせない藻岩山は、夜景の名所でもある。360度の大パノラマが広がる山頂展望台は近年再整備され、山頂へアクセスするもいわ山ロープウェイもリニューアル。夜間には煌めく宝石箱のような札幌の街並みが楽しめるほか、山頂展望台にある幸せの鐘もライトアップされる、夜景好きにはたまらないスポットだ。

大倉山や旭山記念公園といった郊外の夜景スポットだけでなく、市街地でもさっぽろテレビ塔やJRタワーなど、俯瞰的な夜景が楽しめる展望台が多いため、遠出をしなくとも気軽に夜景に触れられるのもうれしいポイント。夜間イベントが充実しているのも札幌の特徴で、日本三大イルミネーションの1つ「さっぽろホワイトイルミネーション」(2018年11月22日(木)〜2019年3月14日(木)、会場により期間が異なる)や「さっぽろ雪まつり」(2019年1月31日(木)〜2月11日(月))といったイベントも、札幌の夜を一層魅力的にしている。さっぽろ雪まつりは夜間に雪像ライトアップや大雪像へのプロジェクションマッピングが行われるため、昼と夜、同じ雪像が異なる表情を見せてくれる。

■ 夜光に浮かび上がる工場夜景を!躍進の北九州市

日本有数の工業地域として知られる北九州市。近年の「工場夜景」ブームを行政が効果的に活用し、夜景鑑賞の一大名所としても注目を集めている。全国夜景ランキングで前回の5位から3位へ順位を上げ、日本新三大夜景に初選出された。

北九州市を訪れた時にぜひ体験しておきたいのが、工場群や関門海峡の夜景を船から楽しめる夜景観賞クルーズ。小倉の工場夜景や多数の工業施設が連なる洞海湾、さらには2018年12月にスタートしたばかりの若戸大橋のライトアップなどが一度に味わえる。小倉港と門司港、2つの港から発着しており、それぞれコースが異なるため、見たい夜景に合わせるのもよし、昼間の観光に合わせた発着港を選ぶのもよしだ。

このほかにも、海や市街地からほど近いところに山々が連なる市内には、“100億ドルの夜景”と称される皿倉山をはじめ、高塔山、足立公園といった北九州市街を一望できるスポットが多数。また、歴史とロマンあふれる景観が魅力的な門司港レトロ展望室や、小倉駅周辺や紫川河川敷などで様々な趣向をこらした光の演出が楽しめる小倉イルミネーション(2018〜2019年シーズンは終了)と、とにかく夜景のバリエーションが豊富。

また、夜景を盛り上げるイベントは冬だけでない。夏には日本夜景遺産に選ばれ、ユネスコ無形文化遺産にも認定されている「戸畑祇園大山笠」が開催されるなど、季節によってさまざまな夜景を堪能できるのも魅力だ。

美しいだけでなく、各都市の歴史や文化をも感じさせる夜景の数々。写真では伝わりきらない光の迫力をぜひその目で確かめに行こう!(東京ウォーカー(全国版)・国分洋平)