(c)MBS

写真拡大 (全4枚)

「逆名言」満載である。「この件、隠蔽する」「この会議に、議事録はない!」そんな映画が2月1日公開される「七つの会議」。これだけコンプラが叫ばれ、パワハラ、内部告発が地球を揺るがすこの時代に、こんな逆名言が目白押しなのである。そんな上司と会社に絶望してのつぶやきは「なんだったんだろうなあ、この会社人生」だ。しびれるではないか。ビジネスパーソンが共感するその魅力のほんの一部を紹介する。

おじさんがひとこと言いたくなる映画

この映画はおじさんにこそ「言いたいこと」がぎっしり詰まっているはずだ。ということで、U商事勤務のAさん(52)、に話を聞いてみた。
――まずご覧になっての感想を。
 「一言で言うなら、面白い。スカッとしました」
――パワハラ上司にトンデモ経営陣、リコール問題に組織ぐるみの隠蔽と、会社の"黒いもの見本市"の様相を呈していますが、こうしたことは現実の会社でもあるのでしょうか?
 「これは極端な例、あるいはデフォルメされているとは思います。でもどこにでもいますよね?存在がハラスメント、みたいな人。"最近は生き辛くなった"などとなぜか逆ギレ気味の上司や、自分のことはポイポーイと棚上げして"これも時代だねぇ"なんて言い出す全身勘違い上司......。最近の若いヤツがヘナチョコだからパワハラなんて概念が生まれ、女性社員が増えたからセクハラなんて言い出しやがるんだ、と本気で思ってんでしょうねぇ......。何を言っても響かない組織と会社に、こんなとこ辞めてやる!と思ったのも1回や2回じゃない。"退職願をパーンと上司の机にたたき付けるかっこいい自分"を頭の中で再生したことない人なんて、います?僕は、再生し過ぎてもはやほとんど"実際の映像"ですよ。ってこれ、ほとんどみんなでしょう、日本のサラリーマンなら」    

野村萬斎は、まるでアメコミ主人公!?

――では登場人物には共感された? 
「もちろんです。とくに野村萬斎さん演じる主人公ですね。普段は居眠りキャラなのに、ある日正義感むき出しにして悪いヤツをギャフンと言わせる。共感を超えて憧れを感じます」  
――なるほど。憧れですか。アメリカの高校生がコミックの主人公の人生に憧れるような感じでしょうか。
 「まさしく。池井戸潤作品は、おじさんのアメコミ、なのかもしれませんね。ファースト&オンリーチョイス、その世界にいれば夢見心地、という意味で」
――おじさんに好かれる背景はよくわかりました。
 「いや、これ、おじさんだけ向け、じゃないです。性別や年齢に関係なく、宮仕えの苦労は誰にも共通でしょう。"かっこいい起業・転職をする女子"というのも重要登場人物なので注目です」

昭和っぽさより平成っぽさ

――正直、昭和臭が強いんじゃないかという気がしたのですが?
 「確かに。でも僕たちの世代は、昭和の人、昭和の人と言われながら、じつは会社人生の全部を平成で過ごしてきたわけです。平成の人だったんです。元号が変わったら、今後はこの映画のような感じは"平成っぽい"と言い捨てられることになるのかもしれませんね」
会社人生で辛酸をなめてきたAさん的おじさんたちはもちろんだが、老若男女、働くすべての人に。......ってかむしろ、共感どころに加え、つっこみどころも満載なので、むしろカップルや友達同士でこそ見てほしい。あの「半沢直樹」シリーズの福澤監督作品だもの、クオリティは折り紙つき。"平成最後の"デートムービーに、「ぜひとも!」
(※念のため、Aさんは架空の人物です)

2月1日(金)公開
出演:野村萬斎 香川照之 及川光博 片岡愛之助 世良公則 鹿賀丈史 橋爪功
北大路欣也ほか
原作:池井戸潤「七つの会議」(集英社文庫)
主題歌:ボブ・ディラン
監督:福澤克雄(「半沢直樹」シリーズ、「陸王」「下町ロケット」ほか)
(C)2019映画「七つの会議」製作委員会