悲願の受賞なるか?『グリーンブック』で用心棒を演じたヴィゴ様
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 実話に基づく映画『グリーンブック』(3月1日公開)で第91回アカデミー賞主演男優賞にノミネートされたヴィゴ・モーテンセンの、約14キロの増量をはじめ入魂のアプローチが明らかになった。モーテンセンは本作で、黒人天才ピアニストに用心棒兼運転手として雇われたイタリア系のトニー・リップを演じている。

 1960年代、黒人天才ピアニスト、ドクター・シャーリー(マハーシャラ・アリ)と、ガサツだが人に愛されるナイトクラブの用心棒トニーが、黒人用旅行ガイド「グリーンブック」を手に、差別の色濃い南部での演奏ツアーに向かうさまを描く本作。アカデミー賞では、モーテンセンと共演するアリも2度目の助演男優賞の候補となり、作品賞、脚本賞、編集賞など5部門にノミネートされている。

 モーテンセンは腕っぷしの強い用心棒トニーになり切るため、トニー本人の音声の入ったテープとビデオを研究し、14キロ増量。撮影中には少しでも「昨日より痩せている」と衣装部から指摘されると、体重を増やすため食事をとり続けた。

 当初、「イタリア人でない自分にはこの役を演じる資格がないのでは」と感じたものの、ピーター・ファレリー監督の熱烈なオファーと、「トニーとドクターの物語にしびれた」ことから出演を決意。撮影に入る数か月前にスペインの自宅からニューヨークへ。トニーの息子で本作のプロデューサーでもあるニック・バレロンガ、次男のフランク、トニーの親戚たちから当時の話をヒアリングした。

 また、イタリアなまりの英語を習得するのに参考になったのが、マフィアのボスを主人公にした海外ドラマ「ザ・ソプラノズ/哀愁のマフィア」。全シーズンを一気見したという。

 モーテンセンは、これまでアカデミー賞で『イースタン・プロミス』(2007)、『はじまりへの旅』(2016)で主演男優賞にノミネート。本作で初の受賞となるか、注目されている。(編集部・石井百合子)