大川護郎氏

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 他の追随を許さない圧倒的な行動力で道なき道を切り開くスターたちがこの国の不動産業界にはいる! そんなクレイジーとも言える情熱とアイデアで目覚ましい成果を残してきた大家さんはいかにして現在の立場まで上り詰めたのか? 彼らの数奇な大家人生と独自の投資哲学に迫る――
◆一代で月収4億円を実現した「姫路の不動産王」
「家賃収入は月に約3億6500万円。そのほかにも駐車場やコインランドリーなどの利益が約4200万円。ローン返済が月に2億3000万円ほどなので、キャッシュフローだと約1億7700万円の利益になります」
 このようなとてつもない規模の不動産オーナーに一代でのし上がった大川護郎氏。フェラーリやランボルギーニをはじめとする高級車を20台以上所有するなど、現在の生活ぶりも華やかそのもの。しかし、その原資は中卒で就職し、新聞配達員としてコツコツと増やした貯金だったという。
「子供の頃は家が貧しく、勉強をする気もなかったので16歳から働き始めたのですが、すぐに販売店の店長を任せてもらい20歳で年収1000万円程度になりました。それでも、衰退する新聞産業だけで生き抜くのは難しいと感じ、不動産投資を始めたんです」
 そうして不動産業に参入した大川氏。当初は20代前半という年齢から金融機関や不動産会社から相手にしてもらえず、廃墟のようなボロボロの物件をキャッシュで購入したところから、そのキャリアをスタートさせた。
「軌道に乗り始めたのがリーマン・ショック後に値下がりした物件を大量に買い始めた頃です。そこから一気に物件数を増やして、45歳の今、4969世帯の物件を所有するに至りました。そのうち、私の地元の姫路市に所有しているのが2350世帯で、これは姫路市全世帯の1.2%に相当します」
 投資リスクを抑えるため、大川氏は「大は小を兼ねる」をモットーにできるだけ広い物件を選び、所有戸数を増やしているとのこと。
「長い目で見れば、ある程度の広さを持つ物件を買い、それを安い賃料で貸すことがベストだと考えます。まずは家賃を相場よりも安くすることで、入居率を高める。基本は『広い物件を安く貸すこと』が収入を長期間にわたって安定させるための鉄則です」
◆思い描く計画は“家賃ゼロ”物件?!
 10年後には所有物件数を5万世帯に増やすことを目指している大川氏。その頭に思い描いているのは、賃貸オーナーの枠組みを大きく超えた構想。なんと“家賃ゼロ”の賃貸住宅を姫路の地域一帯で運営する計画があるという。
「現在、姫路に150棟ほどの物件を所有していますが、これらの物件の屋上にWi-Fiのアンテナを立てて姫路市の一部エリアに無料の通信網を引こうと考えています。このWi-Fiを使う際、1日1回起動する専用アプリに30秒程度の広告を流し、この広告収入によって物件の入居者の家賃をゼロにするという仕組みです」
 賃貸オーナーでありながら、家賃ゼロを目指す。一見矛盾した考えのようにも思えるが、これは日本社会の先行きをしっかりと見据えたうえでの大川氏の戦略である。
「少子高齢化が続き、東京一極集中に向かうなか、このまま進めば最も割を食うのは私のような地方の賃貸オーナーです。そこで、どうすれば将来的に姫路に人を呼び込めるかを突き詰めて考えた結果、家賃と通信費をゼロにすることを思いつきました」
 姫路に人が集まれば、賃貸オーナーである大川氏の収益は右肩上がりに増えていく。さらにこの収益の使い道として、大川氏は若い世代への支援やスポーツ施設の建築を構想している。
「10代の自殺者数が増えていることは本当に残念なんです。今は将来の夢を持てない子たちが増えていますが、不動産のオーナーとして若者たちが大きな夢を持てるような場所をつくっていきたい。中学しか出ていない私みたいな者でも社会に出れば、成功できるということを若い子たちにも知ってもらいたいです」
 規格外のスケールを誇る姫路の不動産王。彼が見据える先にはまだ誰も想像していない未来像がある。
《大川氏の投資哲学》
「広い物件を安く貸す」ことにより長期間にわたって家賃収入が安定
【大川護郎氏】
’72年、兵庫県生まれ。賃貸収入のほか、駐車場などの収入も合わせると年間4億円超に達する。著書に『新聞少年が一代で4903世帯の大家になった秘密の話』(ぱる出版)
― クレイジー大家のマル超不動産投資哲学 ―