中東情勢の影響でアジア杯のチケットが高騰…UAE王子が“買い占め”て価格は40倍に!?

写真拡大

 AFCアジアカップUAE2019 準決勝が28日に行われ、日本代表がイラン代表と対戦した。試合は大迫勇也の2ゴール、原口元気のダメ押し弾で日本が3点を奪うと、守ってはイラン攻撃陣を完封し、3−0で勝利。難敵を退け2大会ぶりの決勝進出を決めた。

 準決勝もう1試合は、準々決勝で韓国代表を破ったカタール代表と同じくオーストラリア代表を倒して勝ち上がった開催国UAE代表が対戦する。ところが、試合を前にチケットの価格が高騰する事態が起きている。この一件を現在の中東情勢と最近の現地報道を基におさらいする。

■断交を背景にした“買い占め行為”

 事の発端は2017年、ペルシア湾岸諸国(サウジアラビア、UAE、バーレーン)とエジプト、イエメン、モルディブの計6カ国が、カタールに対して国交断絶を発表した。断交の背景として様々な理由が指摘されてきたが、カタールがイスラム組織「ムスリム同胞団」を支援していることや、中東で影響力を広げようとするイランに協力していることなどが挙げられてきた。この断交措置に対し、カタールも猛反発。冷え切った関係は現在まで続き、国境まで遮断されているため、カタールサポーターはUAEへの入国ができない状況となっている。

 こうした背景を受けながら、UAEとカタールはアジアカップを勝ち進み、ついに準決勝で対決することとなった。すると、UAEのナヒヤーン・ビン・ザーイド王子が代表を務めるアブダビスポーツ協議会(@AbuDhabiSC)は25日、ツイッターに「UAEに忠誠心を持つサポーターに無料でチケットを配布する」と投稿。販売されていた残りの準決勝のチケットがザーイド王子によって全て買い占められてしまったのだ。『The News Arab』の報道によると、ザーイド王子が行ったこの“買い占め行為”は、スタジアムをUAEサポーターで埋め尽くすことに加え、カタールサポーターを退けるという狙いもあったのではないかと伝えられている。

https://twitter.com/AbuDhabiSC/status/1088878920416542722

■転売行為が相次ぎチケット代は40倍に

 UAEの現地メディア『The National』によると、投稿した通り、ザイード王子は一部のサポーターにチケットを配布したが、手に入れることができなかったサポーターが殺到。転売行為が相次ぎ、価格は約40倍にまで高騰したという。当然、チケットを入手できなかったサポーターからはザイード王子の買い占め行為に対し非難が殺到。SNS上にはネガティブな投稿が相次いだ。この一連の騒動に対し、地元警察はツイッターで「ネガティブなツイートを行わず、誰もがゲームを見て楽しむことを願っています」と呼びかけ、事態の収拾を図っている。

https://twitter.com/ADPoliceHQ/status/1089528866383773697

 さまざまな問題が絡み合う一戦は29日23時(日本時間)にキックオフを迎える。勝利したチームは2月1日、アジア王座を懸けて日本代表と対戦する。