イラン戦に向けて調整するMF原口元気

写真拡大

 球際バトルなら大歓迎だ。ファイティングスピリットで攻撃陣を牽引する日本代表MF原口元気(ハノーファー)はイランとの準決勝を前に、「楽しみしかない。レベル的に差はない。ちょっとしたところの差、最後の底力であったり、最後にどう足が出るか。そういう小さなところで勝負が決まると思う」と気持ちを高めた。

 FIFAランキングでアジア最上位の29位につけるイランは今大会の5試合で12得点無失点と無双の強さを見せている。中でも特徴的なのはフィジカルが強く、球際でのバトルが激しいこと。しかし、それなら俺だとばかりに真っ向で受けて立つのが原口だ。「僕自身は好きなゲーム展開になると思う。それに、日本にはそういうのに慣れている選手もたくさんいる。良いゲーム展開になると思う」と負けん気をのぞかせた。

 イランが強敵であるのはもちろん承知している。「90分で一瞬でも集中力を欠いたらやられる。全員がそこに力を出せるか出せないか。今大会で一番良い試合じゃないと勝てないと思う」と、当然ながら警戒をマックスにまで高めている。

 練習前には宿舎で個人的に過去のアジアカップ準決勝、決勝の映像をチェックしたという。印象的だったのは、優勝した11年大会の準決勝・韓国戦。日本は延長2-2からPK戦を制して決勝に進出した。決勝のオーストラリア戦も延長戦でFW李忠成が決勝ゴールを決め、1-0での戴冠だった。

「今までのアジアカップを見ても、ここから先はものすごく苦しい試合を勝たないと優勝できていない。過去もちょっと奇跡的なことも重なる試合が多かった。先制されるかもしれないし、だれかが退場になるかもしれないけど、最後の底力、諦めない気持ちといった精神的なものが試される。そういうところで引っ張っていきたい」。試合で爆発させるためのエネルギーを蓄えているかのように、静かな口調で闘志を燃やした。

(取材・文 矢内由美子)