公式会見に出席するMF遠藤航

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 ロシアW杯の経験とピッチに立てなかった悔しさの両方を今大会にぶつけている。イランとの準決勝を翌日に控えた公式会見で、森保一監督とともに壇上に上がった日本代表MF遠藤航(シントトロイデン)は、落ち着いた口調でこう言った。

「タフで厳しい試合になると思うが、今、日本代表は我慢強く戦えているので、それを継続して出していきたい。個人としては中3日で良いコンディションをつくれている。明日も自分の良さを出せる準備をしていきたい」。チーム全体を俯瞰する目と自身にフォーカスする集中力を会見冒頭のコメントに凝縮させた。

 今大会は試合前日の公式会見に監督と選手一人が出席しているが、選手は試合ごとに違う顔ぶれが登壇している。グループリーグ初戦のトルクメニスタン戦はキャプテンのDF吉田麻也、オマーン戦はDF長友佑都、ウズベキスタン戦はMF青山敏弘、決勝トーナメント1回戦のサウジアラビア戦はDF酒井宏樹、準々決勝のベトナム戦はMF柴崎岳。遠藤は大会6戦目にして初めてリオデジャネイロ五輪世代からの“抜擢”となったと同時に、W杯のピッチに立ったことのない選手としても初の登壇者となった。

 出番なしに終わったロシアW杯時とはチーム内の立場が明らかに変わったことを象徴する出来事。会見でチームの中での役割や立場の変化について聞かれると、遠藤は順を追うように説明した。

「ロシアW杯ではチームとしても個人としても悔しい思いをして、個人的には(昨年7月にベルギーへの)移籍があった。中盤で勝負したいという思いでプレーし、それが少しずつ代表でも出せるようになってきている実感はある」

 堂々と語る表情には、自信をまといつつあることがにじみ出ていた。しかし、一方で「この日本代表で確実にスタメンを取れているとは思っていない」とも話す。「自分の良さを中盤で日本代表として出し続けること。その先に中心を担っていける選手と言われるようなイメージを持ちながらやっていきたい」と前を見つめた。

 イランとの戦いについては「まずは自分たちがボールを握る展開をつくりたい」と、ボールを保持しながら得点を狙っていこうというプランを披露した。ただ、重要になるのは狙いどおりの展開にならなかったときだ。遠藤は「イランはラフに長いボールを入れてくるし、そこの反応が早い」と指摘。ロングボールがこぼれたところのセカンドボールの回収で相手を上回りたいというイメージを明かした。

「今大会を通して、難しい時間帯や自分たちのリズムで試合を進められない中でも選手たちは臨機応変にプレーしている。それを継続してやることが大事。僕はリスクマネジメントなど自分のタスクを全うできるように集中してやっていきたい」。勝ち上がるごとに力をつけている遠藤が力強く言った。

(取材・文 矢内由美子)