ベトナムに勝利し笑顔を見せる長友。チームはベスト4進出を果たした。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 準々決勝のベトナム戦を1-0で制し、アジアカップでベスト4に進出した日本だが、決勝トーナメント1回戦のサウジアラビア戦ではポゼッション率で相手に大きく上回られるなど、そのパフォーマンスを疑問視する声も少なくはない。
 
 ただし日本は5試合を戦って失点は3。しかもグループリーグ第2戦のオマーン戦、そして決勝トーナメントに入ってからの2試合は1-0と、堅実なスコアで勝ち上がってきた。この点を評価するのは長友佑都だ。
 
「守備面では手応えがあります。今はボールを握られたとしても、ケアする場所、身体を張る場所を皆が分かっています。要するに勝ったチームが強いんです。(2013年の)コンフェデ(レーションズカップ)のイタリア戦の時もそうですし、今回(ロシア・ワールドカップ)のベルギー戦もそうですが、良い試合をしたとしても結局勝つのは彼らなんですよ。
 
 強いチームが勝つというのはそういうことです。試合内容が良くなくても最終的に締めるところが分かっている。その点、今の日本代表の後ろの選手たちは経験があり、海外で揉まれているだけあって余裕がありますよね。僕は10年くらい日本代表にいますが、攻められても余裕があるというか、締めるところを分かっている今のチームに強さを感じます。自分たちのサッカーができずに崩れてしまったこれまでの日本代表とは違います」
 
 
 振り返れば、アジアカップの直前に長友に森保ジャパンのチーム作りに関して訊いたことがあったが、その時はこんな答えが返って来た。
 
「このチームのポイントは後ろになると思います。強いチームは後方の土台が崩れないんですよ。後ろがブレないからこそ、前がどんなに感覚に任せた好き勝手なプレーをしたとしてもチームは崩れない。だから最終ラインに経験のある選手がいる今の日本は良いバランスだと感じます。森保さんが就任当初にまずは攻撃のほうに手を付けたのも、守備には経験のある選手が多かったからこそです」
 
 そう考えると、これまでの森保ジャパンでは、中島翔哉、堂安律、南野拓実の“新三銃士”らが注目を浴びたが、本当の強みは、長友を含め、吉田麻也、酒井宏樹と、“ロシア組”のレギュラー陣が残る最終ラインと言えるのかもしれない。
 
 長友は1-0で勝利したベトナム戦後には改めて今のチームのバランスを評した。
 
「木もそうですが、土台の部分、根っこの部分がしっかりしていないと崩れてしまう。前線の選手にイキイキと好きなことをやっていけよと、ゴールにどんどんつっこんでいけよと、今、そう言えるのは土台の部分がしっかりしているからこそです」
 
 大会前には10番を背負うはずだった中島が負傷離脱し、エースの大迫勇也も臀部を痛めて3試合を欠場するなどキーマンを欠いたため、攻撃は上手く機能しているとは言い難い。それでも、堅実な守備をベースに、前線のアタッカーたちの個人技や想像力を活かす――これがアジアカップで見えてきた森保ジャパンの理想形と捉えられそうだ。
 
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)