お馴染みの顔ぶれが並んだ。

 アジアカップは1月22日までに決勝トーナメント1回戦を終え、ベスト8が出揃った。

 アジアにおける直近の公式戦として、ロシアW杯最終予選の進出国と今大会の8強を比べてみる。ロシアへのサバイバルに挑んだ12か国のうち、日本、オーストラリア、UAE、イラン、韓国、中国、カタールの7か国が勝ち残っている。最終予選出場でアジアカップの8強入りを逃したサウジアラビアは日本に、ウズベキスタンはオーストラリアに、イラクはカタールに、タイは中国に、それぞれ敗れている。最終予選を戦った12か国で、グループステージを突破できなかったのはシリアだけだった。

 また、今大会の8強のなかで日本、韓国、オーストラリア、イラン、UAE、中国の6か国は、11年大会に続いての準々決勝進出である。日本、韓国、オーストラリア、イランは、07年大会も8強以上の成績を収めている。アジアのパワーバランスは、これまでと大きく変わっていないと言っていいだろう。

 ベトナムの8強入りも、驚きではない。グループリーグではイランとイラクに敗れたものの、イエメンには確実に勝利して3位で決勝トーナメント1回戦に進出してきた。ヨルダンとの試合はPK戦で制し、タイなどと共催した07年大会以来のベスト8入りを果たした。

 アジアカップに出場しているチームは、昨年のU―23選手権準優勝、同年のアジア大会ベスト4入りのメンバーが中心となっている。育成環境を整えたことで17年のU−20W杯出場を果たすなど、若くて将来性のある才能が育ってきている。

 アジア大会ではベトナムに敗れた。開始早々の失点は自分たちのミス絡みだったとはいえ、前半はかなり押し込まれた。0対1のスコアは驚きではなかった。

 当時はU−21日本代表である。ロシアW杯の出場メンバーを含む今回は、力の差を見せつけたい一戦だ。

 力の差とはスキの無さである。点差を広げることができなくても、日本に勝つのは難しいとの印象をベトナムに、さらには勝ち残っている各国に与えたい。

 アジアカップは最大3試合で終わるが、早ければ今年9月からカタールW杯予選がスターする。ここから先の勝利は、後々にも意味を持ってくる。サウジアラビアと対戦する前の日本が、17年9月の敗戦を頭から締め出せなかったように、である。試合の意味が重くなるほど、直近のゲームの結果は記憶から離れない。

 難しいことをやる必要はないのだ。攻守の切り替えを早くする、球際で戦う、最後まで攻め切る、不用意な反則をしない、といった原理原則を徹底することで、付け入るスキを見せないのである。

 サウジアラビア戦では反則が多かった。相手の倍以上を数えた。ボールポゼッションで圧倒されたから、どうしても反則は増えていく。主審のジャッジとの相性も良くなかった。

 決勝トーナメントでは固い試合が多くなるものだ。1回戦では4試合が延長戦にもつれ、そのうち2試合はPK戦で決着した。90分以内で決着のついたゲームも、3試合は1点差である。2対0のイラン対オマーン戦にしても、オマーンが開始早々のPKを決めていたどうなっていたか。自陣での反則を減らすことで、相手にスキを見せない大前提となる。

 ベトナム戦は武藤嘉紀が累積警告で出場停止となる一方で、大迫勇也がいよいよ戦列に戻ってきそうだ。エースの復帰でチームの雰囲気は高まっているが、誰が出てもやるべきことは変わらない。日本らしく戦えるかどうかであり、それは、パスサッカーやポゼッションサッカーのみを意味するわけではない。