鍋物商材振るわず 野菜、豚肉は軟調 暖冬傾向で首都圏

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 暖冬の影響で、鍋物商材の農畜産物販売が首都圏を中心に苦戦している。ハクサイやダイコンは生育が進み、入荷量が平年を1割以上上回ったことで、相場は軟調。畜産物では、豚肉の引き合いが弱く、相場が前年割れで推移している。例年以上の暖かさから、鍋つゆなどの販売も振るわず、鍋物商戦が盛り上がらない“異例の冬”となっている。

 ハクサイは、昨秋以降の好天で豊作となり、潤沢感が出ている。1月中旬の日農平均価格(各地区大手7卸のデータを集計)は1キロ38円で、過去5年平均(平年)の5割安と軟調が続く。

 「暖冬でハクサイやダイコンの消費が盛り上がらない」と首都圏のスーパーのバイヤーは頭を抱える。相場安を受け、茨城産ハクサイの特売価格は4分の1カットで78円(税別)。例年より大幅に安く販売するが、「売り上げは前年同期を4割下回る」と話す。

 畜産物も暖冬の影響を受けている。豚肉は、「鍋物向けの販売不調から、引き合いが弱い」と市場関係者。輸入品に国産需要が奪われていることも重なり、東京食肉市場の今月の上物は1キロ450円前後で推移。前年を1割下回り、生産者には厳しい相場だ。

 暖冬は豚の増体にも影響。冬場の寒さで食欲が落ちることもなく、餌の食い込みの良さから、重量が重過ぎる豚の出荷が増加している。その場合、枝肉は「並」と格付けされる。同市場の1月の取引頭数は上物割合が減り、「並」の割合が前年同期より6ポイント増え26%となった。

 スーパーでは牛肉の売れ行きも鈍い。東京都内の中堅スーパーは、今冬の売り場の目玉に焼き肉商材を置いている。前年まではすき焼きやしゃぶしゃぶをメインに売っていたが、鍋物商材の売り上げが前年割れしたため、販促を変更した。

 鍋物の消費離れについて、首都圏のスーパーは「買い物客が多い日中の気温が高い」と指摘。今年は、「鍋物料理を紹介するテレビ番組などが少なく、消費を刺激するきっかけが少ない」と市場関係者は分析する。 今週末は寒波で、気温が下がる見通しだが、鍋物商材の相場が動きだすのは来週以降の見通し。「しばらくは相場は苦戦しそう」(仲卸業者)との見方が強い。