勝利にもあえて苦言を呈したMF柴崎岳(ヘタフェ)

写真拡大

[1.21 アジア杯決勝T1回戦 日本1-0サウジアラビア シャルジャ]

 23.7%というボール支配率のデータも示したように、サウジアラビアに一方的にボールを持たれ続けていた日本代表。中盤の位置で守備に追われる場面が目立ち、「勝つために徹した」と振り返ったMF柴崎岳(ヘタフェ)だが、将来的な戦い方も見据えた苦言も呈した。

「本音というか、今後、彼らとやる時は……。彼らが技術的に優れていて、戦術的にボールを握ってくるスタイルなのは分かっているが、日本より技術的に優れているというより、戦術的に噛み合わなかったという思いがある。今後はこういった試合を繰り返さないというか、こういう展開をなるべく減らしたい」。

 相手を動かしながらのゲームメークや、一発で局面を打開するワンタッチでの縦パスは数えるほど。その反面、鋭く突破された左サイドのカバーに入ったり、ぽっかり空いた中盤の相手選手に必死に寄せる姿が頻繁に見られた。これは柴崎個人のパフォーマンスというよりも、失点を避けるために布陣が後傾したのが原因だった。

 流れの中からはチャンスを作れず、相手の精度が高ければ追いつかれていた可能性も高かった一戦。「テクニックで相手が優れているのは分かっていたし、握られる展開は予想していた」と述べ、先制点により「ある程度は保守的になるのも仕方ない」と理解も示した柴崎だが、「今後は前からアグレッシブに行ければ」と展望を明かした。

「もともとは守備の奪う位置が低く、あれだけ引いた位置からボールを奪ってカウンターとなっても、前線の選手は非常に消耗している。個人的にはもっと描いているイメージがあるので、それができれば前線の選手も楽になるし、チーム全体としても楽に守備ができるし、カウンターも繰り出せるようになるはず」。

 ここまで1点差をモノにしながらのアジアカップ4連勝。結果を見れば上出来とも言える経過を過ごしており、柴崎自身も「結果が出たことが何より」と認めるところ。ただ、勝っているからこそ内容面にフォーカスできるのも事実。「戦い方はブレていない」からこそ、質の向上を求めていく構えだ。

(取材・文 竹内達也)