1995年1月17日の朝方起きた阪神淡路大震災で壊滅的崩壊が起きた六甲道駅の橋脚を直した男たちの奮闘の記録である。現代の場面は石碑にペンキをかける不良少年の1人を捕まえた春日豊(椎名桔平、23年前は野村周平)が、震災当時同じように不良で、他人からくすねたビデオを回していた。工事責任者の高倉昭(井浦新)に記録係を任命されて、少年・春日はまともになってゆく。
潰れた駅の橋脚を治すには3年ぐらいかかると思われたが、それをジャッキアップというむちゃくちゃ冒険的工法で、たった74日で完成させてしまった「土木機械工事の技術者」たちの実話だ。六甲道駅の200メートル以上が潰れているために、神戸は陸の孤島と化し、たった30キロしか離れていない大阪方面はほとんど無傷なのに、東海道線は不通、物流もストップしていたのである。
筆者は記憶している。あの地震について亡き藤本義一が、毎日新聞に書いた。大地震が起きる前に、彼は大勢の犬が団体で大阪方面に向かって移動してゆく異様な光景を見たのだそうだ。犬には、近くても大阪方面は大丈夫だとわかっていたのか。不思議な動物の本能である。結局、現代の春日がどういう人間かわからずじまいだが、今の物語として23年前と関連付けるために使われた人物として仕方がなかった設定だろう。女の子2人(葵わかな、ら)のエピソードは必要なかった。技術者だけで十分感動させる内容だったと思う。(放送2019年1月15日21時〜)

(黄蘭)