韓国国防部の反論ビデオより(YouTube)

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◆独り歩きする韓国側発表の曲解と嘘
 当初、短編記事で書きませんかと言うことで始まった日韓軍事インシデント「日韓電探照射問題」シリーズは、前回の第四回をもって一段落したと考えています。
 今後は、日韓両政府による真相究明に期待することですが、本稿で一貫して指摘してきたように本件事態に関しては、軍事機密(防衛機密)が関わるためにたいへんに事実(ファクト)の公表が限られています。
 特に英語圏でない日韓両国間での事案であるために日本側に韓国語読解者が少ないが故に韓国側の公式発表について極めて情報が少なく、それに基づく誤解と嘘が独り歩きしています。
 これはたいへんに憂慮すべきことですが、幸いなことに韓国国防部はブリーフィングの速記録をホームページで公開しています。また、KJ Club掲示板などでは有志が日本語訳を作成していますし、韓国語と日本語は文法が酷似しているためか機械翻訳もある程度の実用性を持っています。
 本連載でも一貫して指摘しましたように、韓国側の発表を日本人が読めないことを悪用したチェリー・ピッキング(数多くの事例の中から自らの論証に有利な事例のみを並べ立てることで、命題を論証しようとする論理上の誤謬、あるいは詭弁術)が横行しており、日本におけるフェイクニュースの氾濫となっています。以下に恥ずべき愚劣なフェイクニュースの実例を挙げましょう。
フェイクニュース1) 韓国の電探照射に関する説明は二転三転している
 まず、12月21日に以下の報道が出ます。
“韓国国防部は21日、記者団に「わが軍は正常的な作戦活動中だった。作戦活動の際にレーダーを運用したが、日本の海上哨戒機を追跡する目的で運用した事実はない」と明らかにした。”(参照:“海自機に射撃レーダー照射 「追跡の目的ではない」=韓国国防部” 聯合ニュース2018/12/21)
 その後、次の報道が出ます。
“韓国海軍の艦艇が20日、東海上で日本の海上自衛隊のP1哨戒機に火器管制レーダーを照射したとされる問題で、艦艇は遭難した北朝鮮の漁船を捜索するため、接近していた哨戒機に向けて映像撮影用の光学カメラを使用していたことが23日、わかった。光学カメラを使う際、追跡レーダー(STIR)が共に作動されるが、哨戒機にビームは照射しなかったという。”(参照:“日本哨戒機接近し撮影用光学カメラ稼働 ビーム放射はせず=韓国軍” 聯合ニュース2018/12/23)
 この報道ではSTIR-180での照射を日本側が指摘しているが、実際にはMW-08を使っており、STIR-180は電波を発していないと具体的に機種名まで示しています。一方で日本側(防衛省)は一貫してレーダーの機種を示していません。韓国側の説明は、「MW-08を運用していたが、STIR-180は運用していない」という主張で一貫しています。
 この点は本稿で全訳公開する12/24韓国国防部ブリーフィングで明確に指摘されているので、読み進んでご覧になってください。
フェイクニュース2) 当時、海は穏やかであり、韓国側の海が荒れていたという説明は虚偽。
 まず、12月28日公開の日本側映像では、風浪階級に関する明らかに誤った字幕が再三流されており、これがフェイクニュースの論拠となっています。防衛省関係者へは質の低い発表資料によりフェイクニュースの流布に結果として加担したことへの猛省を求めたいです。当日は風浪階級3~4と推定され、これは荒れては居ないが穏やかとも言えません。
 さらに、1)の二転三転フェイクニュースと同じく、これも12/24韓国国防部ブリーフィングをチェリー・ピッキングした典型的なフェイクニュースと言えます。韓国国防部12/24ブリーフィングにおける当該質疑応答を抜き出します。