厳選!新馬情報局(2019年版)
第34回:ボッケリーニ

 年明け恒例の重賞と言えば、中央競馬の幕開けを告げる東西の『金杯』。2015年、その金杯を制してから一気にスターダムへとのし上がり、同年にGIを2勝した馬がいる。

 ラブリーデイ(牡/父キングカメハメハ)である。


ボッケリーニの兄は、5歳になって飛躍したラブリーデイ

 ラブリーデイは2歳時、デビュー戦、オープン特別と連勝。3歳時には春のクラシック(皐月賞=15着、ダービー=7着)に参戦し、年末のGI有馬記念(12着)にも出走している。古馬となった4歳時も、重賞勝ちはならなかったものの、オープン特別では勝利を飾り、重賞戦線では掲示板(5着以内)に載るか載らないかの善戦を繰り返していた。

 しかし、あくまでも重賞を賑わす1頭という存在であり、GIで有力視されることはなかった。それが、5歳になってGIII中山金杯(中山・芝2000m)で初の重賞制覇を果たすと、激変したのである。

 続くGII京都記念(京都・芝2200m)を勝って連勝を決めたあと、GII阪神大賞典(阪神・芝3000m)とGI天皇賞・春(京都・芝3200m)こそ、長丁場のレースで屈したものの、適距離に戻ったGIII鳴尾記念(阪神・芝2000m)を完勝。そこから、快進撃がスタートした。

 直後のGI宝塚記念(阪神・芝2200m)を勝って、初のGIタイトルを奪取すると、秋になっても、休み明け初戦のGII京都大賞典(京都・芝2400m)を快勝。GI天皇賞・秋(東京・芝2000m)では、並み居る強豪を抑えて1番人気に支持され、その人気に応えて見事に2度目の勲章を手にしたのだ。

 その結果、2015年はGI2勝を含めて重賞6勝。圧巻の成績を挙げて、同年の最優秀4歳以上牡馬に選ばれた。

 結局、驚異的な快進撃は天皇賞・秋でストップしたが、以降もGI戦線で奮闘。勝ち負けに加わるまでには至らなかったものの、掲示板圏内の安定した走りを見せて、古馬一線級として活躍した。

 そのラブリーデイの弟が、まもなくデビューを迎えようとしている。栗東トレセン(滋賀県)の池江泰寿厩舎に所属するボッケリーニ(牡3歳/父キングカメハメハ)である。

 ラブリーデイと同じスタッフが管理しているというボッケリーニ。その動きからは、兄を思い出させる”素質”が感じられるようだ。その様子を関西競馬専門紙のトラックマンが伝える。

「ボッケリーニについて、担当スタッフが開口一番、『将来性がある』と評価していますね。調教を積んでいるなかで、『走りの動きや仕草がラブリーデイに似てきた』とのこと。この血統は前向きすぎるタイプの馬もいましたが、ボッケリーニはその辺りのことも熟知しているスタッフが対応しているので、いい形の調整ができているようです」

 そして、同馬の調教をつぶさにチェックしてきた先述のトラックマンがこんな感想を漏らす。

「ラブリーデイは、調教でそれほど派手な動きをするタイプではありませんでした。同様に、ボッケリーニも調教で際立った時計を出しているわけではありませんが、この血統としては十分な動きを見せていると思います。兄は5歳から本格化したとはいえ、デビューから連勝しています。弟も初戦からいい走りを披露してくれるのではないでしょうか」

 初陣については、当初1月20日の3歳新馬(中山・芝1600m)を予定していたが、除外になったため、来週以降にあらためて仕切り直す形となった。 ともあれ、稀有な活躍を見せたラブリーデイに「似ている」というボッケリーニ。兄と同じ、いやそれ以上の活躍を見せてくれることを期待したい。