2019年は働き方改革の本格的始動をはじめ、企業のグローバル化や売り手市場における採用活動、さらには社員へのメンタルケアや研修・評価管理の充実など、人事担当者が取り組むべき課題は山積みだ。これらの課題解決を支援する、今後さらに注目されるサービスを提供している企業に対し、取材を行った。

 採用において売り手市場は継続しており、思うように採用目標を達成できず悩む企業も多い。

 シングラーの「HRアナリスト」は採用候補者を分析することで、採用成約率と辞退率の改善を支援するクラウド型人材分析ツールだ。事前に候補者にアンケートへ回答してもらうことで、タイプやニーズ、思考パターンなどの分析結果とともに、面接時にどのようにアプローチすればよいかが分かる。また社員にもアンケートを実施してタイプを知ることで、より候補者と相性の良い現場面接官を配置することができる。

 実際に同サービスを導入している企業からは「現場面接官が面接で候補者に対し動機付けができるようになったため、採用率が向上している」「事前情報に基づいて面接が行えるのでやりやすい」と好評だ。

 今後は採用時に取得したデータを、人材配置や組織コミュニケーション強化に活用し、定着率向上を図るシステムを開発する予定だ。 企業のグローバル化が進み、外国人材の活用が重要性を増してきたが、定着に課題を抱える企業は多い。

 One Terraceの「グローバルダイバーシティ研修」は、外国人社員の定着を促す日本企業向け研修サービス。グローバルやダイバーシティに豊富な知見を持つ講師が、階層別・対象別に細分化した実践的な研修プログラムを提供することで、外国人材の定着における課題を解消する。

 同社の起点は外国人材紹介業であるため、現場の課題を明確に理解しており、企業のダイバーシティ度合いや現状の課題を分析したうえで、段階に応じた的確なプログラムを提案できる。

 実際に研修を受けた企業では外国人社員の意欲が向上し、マネジャー層では人事評価の手法が実践的にわかり、外国人材の活用に対する社内の意識が変わったという。

 今後もグローバル経営やダイバーシティ経営を推進し、組織変容を目指す企業へ継続的な支援を行う。 メンタル疾患を抱える社員は年々増加傾向にあり、休職者の対応に追われる光景をよく目にする。

 メンタルヘルステクノロジーズは企業の健康経営を促進するITサービス「ELPIS」シリーズの第1弾として、オンラインでメンタルヘルス・ハラスメントを学ぶ「ELPIS-eラーニング」の提供を開始した。研修受講者はオンラインにて、いつでも自由にメンタルヘルスやハラスメントについて動画で学ぶことができる。

 カリキュラムは新入社員から人事・経営陣まで多様な階層に向けて用意されており、社員はストレス回避のセルフケアを学び、人事や経営陣はマネジメント方法について学べる。初期費用はかからず、1人につき月額200円と低価格で導入できるのも魅力の一つだ。

 同社は子会社Avenirとの連携による産業医の紹介も行っており、蓄積されたデータとAIを活用し、メンタル疾患予備軍にアラートが立つような機能もリリース予定。 働き方改革による時間外労働の上限を超過しないため、各社員の労働時間を精緻に把握する必要がある。

 NTTコムウェアの「follow(SaaS版)」はクラウド型勤怠管理システムで、打刻だけではなくパソコンのログで勤務実績を管理することができるため、事前に労務リスクを軽減できるところが特徴。社員の申請画面では、打刻と実績に乖離のある日時が赤く表示され、乖離理由を申請することで勤務の適性化を図ることができる。