右SBで存在感を示した室屋。高精度クロスで武藤の同点弾をアシストした。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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[アジアカップ・グループリーグ第3戦]日本 2-1 ウズベキスタン/1月17日/ハリファ・ビン・ザイード・スタジアム

 1月17日に行なわれたアジアカップのグループステージ第3戦。首位通過のために勝利が必須だったウズベキスタン戦で、日本はオマーンとの第2戦からスタメンを10名入れ替えた。その影響で動きが序盤から想像以上に固く、40分には先制点を許す苦しい展開。大幅にメンバーを代えて挑んだ一戦は思い通りに試合を運べず、1位突破が危ぶまれる状況に陥った。
 
 そうした嫌な流れを払拭したのが、右SBの室屋成だ。
 
 失点直後の43分、右サイドで相手DFをかわした室屋はゴール前に高質なクロスを供給。武藤嘉紀の頭にピタリと合わせ、見事に同点弾をお膳立てした。
 
 タイスコアになり、勢いを取り戻した日本。室屋はその理由をこう話す。

「僕個人はそんなに思わなかったですけど、試合全体としては(試合の入り方が)固かった。同点にしてからは勢いが出たので、そのきっかけを出せたので良かったです。途中からみんな個性が出てきて、一体感が生まれて良いゲームができました」
 

 後半に入ると、さらにチームのパフォーマンスは良化する。58分に再び室屋が右サイドからクロスを入れると、相手DFがクリア。このこぼれ球を塩谷司が拾って、左足でネットを揺らした。
 
 2点に絡んだ室屋は試合後、この一戦に並々ならぬ意欲を持っていたという。
 
「負けるわけにはいかなかったですし、メンバーを代えたなかで絶対に勝ってやろうと試合前から思っていました。それを実現できたことがまずは嬉しい。苦しい試合でしたけど、最後まで全員が集中力を切らさずにやった結果、1位で決勝トーナメントに行けたので嬉しいです」
 
 今大会、室屋は2戦目まで出番なし。だからこそ、ウズベキスタン戦は結果を残し、コンディションに問題がないことを示す必要があった。「自分たちが力になれると示せたゲームだった」と充実の表情を見せた室屋。掴んだ手応えを自信に変え、ノックアウトステージでもチームの勝利に貢献する。