家族や友人も見に来ていたという塩谷。目の前で代表初ゴールとなる決勝弾を決め、最高の瞬間を味わった。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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[アジアカップ・グループリーグ第3戦]日本 2-1 ウズベキスタン/1月17日/ハリファ・ビン・ザイード・スタジアム

 強烈な一撃だった。1月17日に行なわれたアジアカップのウズベキスタンとのグループステージ・第3戦。1-1で迎えた58分、右サイドを駆け上がった室屋成のクロスがクリアされると、絶好の位置にボールがこぼれてきた。ボランチの位置から前線に顔を出していた塩谷司は迷わず、利き足とは逆の左足を一閃。
 
「コースは見えていたので、枠を外さず、低く抑えようと意識していました。あとは距離もあったのでなるべく強いシュートを打とうと思っていました」
 
 強烈な一撃は見事にネットに吸い込まれ、これが代表初ゴールに。同時に、日本に首位通過をもたらす値千金の決勝弾となった。
 
 試合後、塩谷はゴールが決まった瞬間の感情を回想。素直な言葉で想いを吐露した。
 
「家族も友人も来てくれていたので、自分にとって忘れられない1日になりました」
 
 2017年の7月、塩谷は広島からUAEの強豪アル・アインに移籍。以降、決して注目度が高いとはいえないリーグで地道に積み重ねてきた。しかし、クラブでは定位置を掴むものの、代表からは疎遠に。なかなか陽の目を見ることはなかった。
 
 そうしたなかで、アジアカップに挑む森保ジャパンに怪我で離脱した守田英正の代役として追加招集。実に3年3か月ぶりの代表復帰となった。
 
 2戦目まで出場機会がなく、迎えたこのウズベキスタン戦。本職のCBではなく中盤の底でスタメン出場すると、塩谷は好パフォーマンスを見せた。アル・アインでも何度かプレーしていた経験がプラスに働いたのは間違いないが、相棒が広島時代に共闘した青山敏弘だった点は大きかったという。
 
「基本的には青ちゃんに頼りっぱなしでした。自分はスペースを埋めることやセカンドボールを拾うことを意識していましたけど、青ちゃんが気を遣ってやってくれていたので試合を通じてやり易かったです」
 
 決勝弾に攻守で示した存在感。「広島時代にこうやってボランチでプレーすることはなかったけど、ずっと一緒にやっている感覚があって楽しかった」と、塩谷は充実の表情を見せた。活躍した裏には、気心の知れた先輩の存在があった。