眼科医の羽鳥志郎(濱田岳)が病院勤めを辞めてボランティアでベトナムに赴き、現地で奮闘する姿を描いたヒューマンドラマである。内視鏡を使った網膜手術で「神の手」と言われる服部匡志がモデルで、1年の半分を日本で眼科医として働き、半分をベトナムで無償医療を続けている。

羽鳥を突き動かしているのは、亡き父の「人は人を助けるようにできている」という言葉で、現地の医療環境の悪さや医師との意思疎通に悪戦苦闘し、反対していた妻の結衣(国仲涼子)や母(キムラ緑子)もだんだんと理解を示してくれるようになり・・・と、こういうドラマにはよくある展開ではあるが、ベトナムの風景や人々、眼科医療の現状がていねいに描かれるので説得力を持つ。

海外のボランティア医師を受け入れる現地の医師たちの本音は興味深かった。羽鳥の手術を見て「人体実験だ」と糾弾する。手術経験を増やす練習の場としてやってくる外国人医師もいて、ベトナムの医師たちは見下されているという感情を抱いている。そんなつもりでやったのではないと必死に説明する濱田の演技は心打つものだった。

字幕が関西弁とは楽しい

ベトナムの俳優陣も新鮮で、たいそうイケメンなサン医師(ビン・アン)や日本語が話せるティエン看護師(レ・チ・ナ)ら、みな柔和な雰囲気をうまく演じていた。古都フエの観光スポットや町の様子がチラチラ出てくるのもお約束だけどいい感じ。日本語、ベトナム語、英語が飛び交う中、字幕が関西弁なのが楽しい。

ベトナムの眼科医療の現状、羽鳥の自己犠牲で成り立つ無償医療など問題は解決していないのだが、こういう医師がいて今も頑張っていることを紹介するだけでもこのドラマの意義はあるし、見た後とても爽やかな気持ちになれた。(1月12日よる9時)

かたくりこ