スリの顔を自動撮影!カメラとSIM内蔵のスマート財布「Volterman」なら盗難紛失時も安心:CES 2019
CES 2019のスタートアップ展示ゾーン「Eureka Park」にて、アルメニアのVoltermanがちょっと変わった財布を披露していました。日々持ち運びお札を入れて使える財布でありながらバッテリーを搭載。さらにカメラやSIMスロット通信機能を内蔵しています。一体どんな財布なのでしょう?

Voltermanはモバイルバッテリーとしても使える財布で、二つ折りタイプでカードも入るモデルと、縦長でカードやパスポートも収納できるトラベルモデル、そしてカードのみを収納できるカードケースと、3つの製品が用意されます。クラウドファンディングのIndiegogoでは、2018年7月に目標額の2000%以上となる資金調達に成功した人気製品で、2019年2月以降出荷予定となっています。

Volterman - World's Most Powerful Smart Wallet



前述の通りそれぞれの製品にはバッテリーが内蔵され、スマートフォンなどを充電するモバイルバッテリーとして使えます。バッテリー容量は二つ折り財布が2600mAh、トラベル財布が5000mAh、カードケースが2000mAh。バッテリー内蔵のため折りたたむと厚みはありますが、その欠点を補うほどの利点をVoltermanは持っているのです。



▲財布の内側にはコネクタがあり、ここに専用ケーブルを接続。そこからスマートフォンを充電できます。



またワイヤレス充電機能も内蔵しているので、Qi対応スマートフォンをVoltermanの財布の上に置けば、ケーブルいらずで充電可能。移動中もスマートフォンと財布を重ねて手で持てば、歩きながらでも充電できるのです。それに加えてGPSモジュールを搭載しており、財布の位置をトラッキング可能なのも特徴。



ここまでの機能なら他社からも類似の製品がすでに登場しています。しかしVortermanは他社品にはない機能を2つも持っているのです。

まずはグローバルホットスポット機能。本体には通信モデムとSIMカードが内蔵されていて、海外旅行中にVoltermanの財布をモバイルルーターとして使えるのです。料金はかかりますがローミングよりも1/3程度安価なグローバルローミング対応SIMカードを内蔵しているとのこと。なおホットスポットの利用は専用アプリから行います。



そして業界初ともいえる機能が内蔵カメラです。財布を落としたりどこかに置き忘れてしまったとき、財布が開かれるとカメラが自動的に写真を撮ります。つまりスリや拾い主の顔写真が自動的に記録されるわけです。これはなかなか面白い機能ではないでしょうか?

撮影された顔写真は登録したメールアドレスへ即座に送信されます。その写真を見て「怪しい、スリだ!」と思えば、警察に届けることで捜査の手助けになるでしょうし、善意で拾っていただいた方ならば、その方との待ち合わせの際に活用できるでしょう。



写真撮影時にはカメラ横のフラッシュも光るため、拾い主、あるいはスリも中身を抜いてこっそり財布を捨ててしまおうなんて思わず、素直に警察へ届けてくれる効果にも期待できます。



姉妹品としてBluetoothのみを内蔵したパスポートケースや同じ革を使ったワイヤレス充電台も用意されています。現金やカード、会員証、パスポートなど身の回りの貴重品をすべてVoltermanの製品に収納して持ち歩けば、旅先でも安心できそうです。

Voltermanのアイデアは創業者の方が実際に自分の財布を紛失したことから生まれたそうです。財布を置き忘れた際、Bluetoothでスマートフォンに警告を送れる財布も市販されていますが、その距離は20メートル程度。タクシーを降りてから財布の紛失に気付いても車は走り去ってしまいますし、客の入れ替わりが激しいファーストフード店のテーブルに置き忘れようものなら、気が付いて戻った時にはすでに財布は盗まれてしまっているかもしれません。



しかしVoltermanならば、バッテリーとGPS/SIMを内蔵したことで、電池の続く限り全世界でトラッキングできます。カメラを搭載したことで中身を抜き取られることへの抑止効果や犯人追従時の証拠も残せます。財布を無くした経験のあるかたや、海外旅行時のスリ対策におすすめの財布といえそうです。